第1話
人を好きになることが
苦しいだけなら
こんな感情
もって生まれてこなければよかった
春は出会いと別れの季節だ
うん、よく聞くセリフだなと思う
けどさ、もしも身近に出会いと別れを繰り返している人がいたらどう思う?
バカな奴って普通思うよね
ましてやそんなやつ・・・・
好きになるはずがない
それなのに私、姫条ななは
そんなバカな男に恋をして
4度目の春を迎えてしまった
放課後で帰宅や部活に行く生徒で渡り廊下は賑やかだ
そんな中、私は携帯をいじりながら人を待っていた
「ヒメー!お待たせ!」
ヒメと私を呼ぶのは中学からの腐れ縁の蒼樹和馬
指定外のカーディガンを着ているから人ごみの中でもすぐわかる
そうそう、ヒメというのは私のあだ名だ
もっとも、こんな呼び名をするのは私のもとに向かってくる男とその友達くらいだ
姫条の姫という字だけをとって「ヒメ」と和馬は呼ぶのだけど
そう呼ばれるのは結構恥ずかしい
やめてと言っても聞いてもらえないから、もうあきらめているけど
「遅い、あんたから呼び出したんでしょ!」
「ごめんごめん!ジュースおごるから!」
「よし、許してやろう」
あははと笑って
人気のない校舎裏に私たちは歩き出した
そこで私はこの男から衝撃的な告白をされる