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探索、廃屋の欠片

「荒れてんなぁ…」


前にも一回来たことがあるが、其の時よりも更に荒れている。

草木は伸び放題、ゴミのポイ捨て等々、荒れるだけ荒らしたといった様相。


「で、どうするんだ?」

「二チームに分かれよう」


雹が指示し、二つのチームに分かれる。

雹、翠雨、音伊先生チーム。

俺、マカ、時雨、紗奈チーム。

雫は勿論俺に付いてくるしかないので俺のチーム。


「奥まで行って探索、あらかた探索し終わったら此処に戻ってくる。何かあったらすぐに連絡」

「此の場所は少し危険な気もするが…」

「お前らが居るなら大丈夫だろ。ああ、もし何かが居たら捕獲しといて」

「捕獲?」

「うん」

「猫とかそういうんじゃないよな」

「霊的なものをだよ。頼んだぞ」


そう言って雹はずんずんと歩いていってしまった。


「翠雨、色々と任せたぜ」

「ああ、任せておけ」

「ほな、気を付けてなー」


翠雨と音伊先生も雹を追っていき、姿を消した。


「じゃあ、俺たちも行くか。マカ、しっかり手を握っておくようにな」

「うん」


俺が実質の先頭を歩き、右側にマカ、マカの隣と後ろに時雨と紗奈、マカには見えていないだろうが、正面に雫。

何かあればマカだけでも助ける構えだ。


「しっかし…何をすればいいんだろうな」

「奥に何かがありそうな口振りだったが。今のところ周りに気配は感じられない」

「雹が横から驚かしてくるんじゃないだろうな…」

「彼奴は其処まで馬鹿ではあるまい」


其れは分かってるけどさ。

草を薙ぎ、懐中電灯で先を照らしながら進む。


「何だか寒くなってきた…」


マカが強く手を握ってくる。

確かに少し気温が下がったような気もしないでもない。


「正面に何かあります。無機物ですね」


無機物っつーと生き物では無い、と。

幽霊って有機物なのか?それとも無機物なのか?


「建物、か…」


一階建ての小屋があった。


「怪しいな」

「怪しいの?」

「分からんけど。入ってみるか」


戸を開けて小屋に入ろうとした俺を雫が遮り、先に入る。


「どうしたの?」

「ん、いや」


雫からのサインを待つ。

左手の親指を立てたのを見てから中に入る。


「何も無いな…」


見渡してみても特に何も無い。

毛布のようなものと、木片くらい。


「彼処、ドアがあるよ」


マカが怖々指差した先に戸があった。


「私が開けよう」


時雨が戸に手を掛け、開ける。


「む。見ない方がいい」

「どうした?」

「白骨死体だ」

「ひっ…」


マカの躰が竦む。

時雨は部屋の中に入り、探り始めた。


「女性だな」

「分かるのか」

「骨格でな」


全く分からん。


「マカ、大丈夫か?」

「う、うん」


マカは大丈夫だと言うがそうは見えない。

でも…「恐怖」で怯えている訳では無い。

何だ?マカは何を想っている?


「見せてくれ。紗奈、マカを頼む」

「分かりました」


紗奈にマカの手を渡し、部屋に踏み入る。


「思ったより広いな」


トイレくらいの狭さだと思っていたが俺の部屋より少し小さいくらいで、中央に机、壁沿いに本棚と思われる棚がある部屋。

白骨死体は机に突っ伏していた。


「何かあったか?」

「何も」


時雨は本棚を漁っているが、本は見当たらない。


「ん?」


白骨死体が何か持ってる…


「本か?」

「どうした?」

「本を握ってる」


白骨死体を崩さないように慎重に本を抜き取る。


「読めん」


ボロボロな上に現代で使われているような文字ではないので俺には読めなかった。

こういうのは時雨に渡そう。


「ふむ。ただの本ではないな。日記か」

「なんて書いてある?」

「最初の方はただの日記だが後半になるにつれておかしくなってきているな。此れを書いているのは其処の死体、性別は女性。後半はとある男性を好きになってどうしようもなくなっている。面白そうだから持って帰って雹に見せてやろう」


時雨の手から日記が消えた。


「さて、此処にはもう何も無さそうだ。出るか?」

「そうだな」


もう一度小屋を見回って少し探索して戻るとするか。


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