捜索、疑問を重ねて
帰宅し、霙に雹のことを聞く。雹は何処に居るのか、と。
「あれ?前話しませんでしたっけ。姉さんは家を出て何処に居るか分かりません」
何やらかしたんだ。
「雛多ヶ宮に代々伝わる宝刀を使用しての身内の殺害、及び宝刀を所持したまま逃亡。動機等は不明だそうです」
「いつ頃のことだ」
「去年です」
雹の居場所は不明。他にも疑問はある。
「話は変わるが、俺たちって何時、何処で知り合ったっけ?」
ここまで違うなら出会った理由も違う筈。
「へ?何言ってるんですか。私たちは幼馴染みじゃないですか」
地雷踏んだか…?色々纏めたいが、ここは話題を逸らしまくるしか…
「今のは私に言ったのだろう?私もよく覚えていないのでな。霙、教えてくれないか」
助かるよ、時雨…今の俺は頭が回らなさすぎている。
「時雨さんたちは斬霊のお手伝いをしてもらって、そのときに想儀さんを依り代にしたんです…って覚えてない訳ないですよね?今日のお二人、おかしくないですか?」
おかしいのはそっちだ!なんて叫べる訳もなく。
「おっと、友だちからの催促メールだ。待ち合わせすっかり忘れてたぜ」
携帯を取り出し棒読みにならないよう咄嗟に台詞を言う。態とらしすぎたか、無理矢理じゃないかを確認する暇なんかない。行ってくる、と家を飛び出した。首を捻る霙が視界の端に映った。
「暫く戻れないな」
「演技、下手過ぎだろう」
「仕方ねぇだろうが、必死だったんだから」
紗奈もついてきているが、何も聞いていなさそう、というか何を考えてるかも分からない。なので気にしないことにした。
「纏めると…」
俺と霙は幼馴染み。雹は逃亡中。時雨と紗奈は斬霊中に知り合った。マカは恐らく幼馴染み。紗奈、霙、マカに起こった異変の理由は不明。
「何よりも、雹のことが気になる…探してみるか」
この辺には居ないだろ。事件があったのは去年だぞ。
「この世界ではな。私たちがこのエリアに居て、彼奴が何処に行けると言うのだ」
どういうことだ?もしかして時雨は何か解っているのか。
「少し、な。話す程じゃない。兎に角この街にいることはほぼ確定だ。行くぞ」
俺は時雨に従うことにした。霊が見えるだけの人間が役に立つ訳がない状況だからな。
騒がしい街の中、適当に歩き回ってみた。
「こんな状況でなければ楽しんでいるところなのだが…」
寂しそうに言う時雨。何時の間にか夜が近づいていた。
「本当に居るのか?」
散々歩き回って何のヒントも掴めずじまい。
「居ないと駄目な筈なのだ…この世界は…狭いから…」
町外れの河川敷で三人は立ち止まる。
少しでもいいから解っていることを教えてくれないか、独り言を呟く時雨にそう言おうと思った。
その時。
「見つけた」
後ろから、聞き覚えのある声。俺と時雨が同時に振り向く。そこには長身の…恐らく雛多ヶ宮雹が立っていた。




