1.序章
世界規模の戦争で今ある世界は一度滅びた…。
そして、新しい世界にはヒーローズと呼ばれる古の英雄達が出現し、その力を大いに振るっていた。
ここは日本。今はネオジャパンと国名を変えている。
内戦が続き、今はまさに戦国時代。力あるものがこの国を統べる混沌の時代…
-東京-
街の一番高い所から下を眺める。
道のあちこちで争いが起こっている。
「まずは治安からだな。土方」
「あぁ。警邏隊を急ぎ編成する」
「よし。それでは13時に軍議をやるぞ。遅れるなよ」
「あぁ」
土方と呼ばれる男に指示を出していたのが「曹操孟徳」である。
乱世の奸雄は、この世界においてもその絶大な力を振るっている。
そして、その指示を受けている男が新撰組 鬼の副長こと、「土方 歳三」である。
「まだ時間があるな…少し街を見てから行くか」
涼しげな眼もとに黒のスーツ、腰には刀、スーツの背中には「誠」の文字。
そして身に纏う威圧感。まさに鬼の新撰組副長である。
街を歩いて回ると治安があまり良くないのが身にしみてわかる。
喧嘩、窃盗、強盗、器物破損…。早急に対応が求められる事である。
「誰かそいつをとめてーっ!」
女性の悲鳴の先から走ってくる男がいる。
「どけぇ!!」
まるで猛牛の如く突っ込んでくる。
「俺の出番だなぁぁぁ!!!」
横から声がしたのと同時に走ってきた男は道に叩きつけられ気絶していた。
「この程度の男では満足できんな」高らかに笑い土方の方を叩いた。
「流石だな黄鬚」
「がはは、親父には黙っておいてくれ」そう言って立ち去って行くこの男は「曹彰」曹操の息子だ。
彼の腕力は人並み以上に優れており、猛獣と格闘することができたと言われるほどの武人である。
「さて、そろそろ行かねば間に合わんな」
指定の時間に遅れたらうるさくてかなわんからな。そう思いながら曹操の待つ場所へと急ぐ。
「皆、そろったようだな」
曹操を中心に軍議が始まる。街の様子の事、近隣諸国の動向、軍備、糧食、等など…
「東北と中部、どちらを攻めるできかな?」
関東一体は、この曹操が治める領土となっているで北に攻めるか、西に攻めていくかで意見が分かれている。
「先に東北を攻めるべきかと…」
曹操にそう進言するのは、曹操軍一の軍師「郭嘉」
「中部を攻めるにはまず、東北を攻め、領地を拡大させ、糧食の備蓄を増やし、有能な武将をわが軍に従軍させた後で攻めるのが賢明かと」
「郭嘉…」
「はっ」
「それほどまでに、中部の織田は強いか?」
「恐れながら、現在最強の軍は織田でしょうな」
中部、織田 信長が治める国である。
部下に呂布、源 為朝、本多 忠勝、前田 慶二、那須 与一…
一騎当千のオンパレードだ。この軍勢を打ち破るにはまず、東北を我が物とし、力をためる必要があるのだ。
「ふむ。ならばまず、東北征伐に行くとするか…」
辺りの将を見渡し曹操は大きな声でつづける。
「まずは東北のタヌキのねぐらを獲るぞ!それが終わったら魔王退治だ!」
こうして曹操軍は東北 徳川軍との開戦するのである。