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ざわつき



 年齢に関しては信じてもらえないことがこの上なく嬉しい。

 だが、さすがに嘘の申請はしたくない。

 名前は可愛いほうがいいとあいつらがいうから、そうしただけだ。


 カウンターを訪ねる者を憤慨させたことで冒険者がざわついたので、彼女はとっさに「なんでもありません、誤解ですから」皆を落ち着かせる為にカウンターを出てきた。


 ざわついていた周囲をうまく宥めるとまたカウンターの向こうに行く。


 こっちも宥めてくださいよ。

 受付嬢が冒険者たちを何とか宥め、収まりをつける。

 ここではギルドの人間よりも冒険者が優位にいるようだ。

 

 彼女はペコペコと平謝りを見せていた。

 中には仕事の依頼をくれるギルドの係員を睨みつける者もいたようだ。

 きっとランクが低くて稼ぎの悪い連中にちがいない。

 か弱いものに八つ当たりをする習性が身に付いたんだな、可哀そうに。


 彼女はカウンターの中に戻って俺のほうに向き直ると。


「本当なんですか? もし偽りだったら妖精王の裁きにかけられて、人間の街から追放を受けることになりますよ? 大丈夫でしょうか?」

「大丈夫でしょうかと言われましても、聞かれたことに素直に答えただけなのにそんなの酷いですよ!」


 これは心外だな。だが簡単に引き下がるわけにはいかない。


 強気で返すと受付嬢は「そのようなつもりでは」と申し訳なさそうに声をすぼめた。

 当然審査もあるだろう。それが彼女の仕事なのだろうけど。その言い方、言い方だよ。もう少し言葉を選んで来客者をもてなしなよ。


 なんだ、その妖精王ってのは。


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