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風船は爆弾

不愉快な気持ちで6時間の授業を終えた僕は、クラスの殆どが帰った教室に残り、

尿水風船爆撃を成功させるべく、実行作戦考えていた。



まず、相手の見えないところから、水風船を当てなければならない。見つかったら社会的に死ぬ

これが最重要項目だ。

そのためには、相手の頭上から狙うのが一番いい。

それに痴漢されてた女とその彼氏2回に別けてぶつけるより、一度にぶつけたほうが見つかるリスクも少ないから、

まずは、2人の普段の行動パターンを調べなければならない。

そこまで考えて僕は家に帰ることにした。



次の日も外はサウナのように熱く、朝食べたトーストを吐きそうになるのを我慢して登校する。

1時限目が終わりこの日最初の休み時間が始まった。


友達がいない僕の所には誰も来ないし、話に行く場所もない。

いつもなら机に突っ伏して、寝たフリをするのだが、今日は大事な目的がある。

僕はノートとシャーペンを片手に教室を出る。



まずはあの2人のクラスを確認しなければならない。

あの痴漢されてた女は見た感じ後輩か同級生だ。

まずは、2年生のクラスを回ることにした。



2年制のクラスは全部で7つで回るのにあまり時間はかからなかった。

一通り回ってみたものの、あの女の姿はない。


「やっぱ、あいつ1年か」


僕は独り言をブツブツ言いながら、1年のクラスへ階段を降りた。


僕は1年生の階を歩くのに居心地の悪さを感じていた。

早歩きで1つ1つクラスを確認していく。

すべて回ったがあの2人の姿はなかった。

2時間目がそろそろ始まるので、俺は足早に自分の教室に戻った。


それから昼休みまでの2回の休み時間、僕は彼らを探したけど見つからなかった。

昼休みに入ったクラスの人たちはそれぞれのいつもの場所で弁当を食べている。

僕には(いつもの場所というものは)ないから、どこで食べようかと校内を徘徊していいた。


学校の校舎を出て、宛もなく歩く。

校舎沿いに歩いていると、男子トイレの窓が空いていたのか、中から物音が聞こえた。


ゴトッ ゴトッゴトッ


「何だこの音」

息をひそめてトイレの窓に近寄る。


んっ//////


(トイレで誰かが明らかにやってやがる。)

つま先立ちで、男子トイレの窓から中を除く。


トイレの個室の下に男子学生の靴が見えた。

僕に背を屈め耳を澄ませた


「もっ、もうだめだよっ、声我慢できないっ」

女の声が聞こえた。

「もうちょっとでイクから。んっ...んぁ」

次に男の声


「よく毎日こんなに出るね」

女は笑いまじりな声色で言う


僕はこの聞き覚えがある声の主を確かめるため、トイレから出てくるのを待っている

(校内でイチャイチャすんなよクソリア充が、ていうか学校でオセッセするやつほんとにいるんだな)

脳内で1人愚痴っていると、トイレのドアが開く音が聞こえた。


僕は窓から見つからないように慎重に顔をのぞかせた。

トイレから出てきた女の方の髪型や背丈を見て、僕の疑念は確信に変わった。


(あぁ、やっぱり、聞き覚えがあると思った。あの女だ。)

横の男は昨日の男だろうか。そこまでは確認できなかった。

だけど、今はそんな細かいことどうでもいいじゃないか。

女の「よく毎日こんなに出るね」という発言から、2人の行動パターンがわかった。


そうだ、ここしかない。

この時間にこの場所であいつらに、尿爆弾で一矢報いてやる。

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