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大教授の独り言

大講堂での講義の終わり、一人の学生が歩み寄ってきた・・・。質問なら聞いてやらねば・・・教授である私は、かってにああでもないこうでもないと一人脳内会議や回想に忙しい?講座教授「わたし」の、他愛のない独り言です。登場人物、場所、組織、時、出来事などはすべて架空です。いつもお付き合いいただきありがとうございます<(_ _)>(*^-^*)

大講堂


学生が


せいいっぱい真面目な様子で

わたしに歩み寄ってきた


講義の終わり


授業後の質問だから

むげに断りにくい


「あの、わたし


対人関係に悩んでいて。


何を言っても

馬鹿にされたり


目立ちたがりだって

からかわれるんです」



と、言う。




うーっむ


これ


あるあるなんだな


若い時のわたしなら


舞い上がって


この子に気に入られようと


よい励ましを

いっぱい

話しかけてしまうんだな


そして


この学生の

キラキラな瞳が


さらに

キラキラになって


わたしが

さらに


「ここで立ち話も

なんですから


お茶の飲める場所へ

いきましょう」


なんて


やっちゃったら


いまどきでいう


セ〇ハラ案件


の入口に


立っているんだな


やましい心がなかったとしても

実際

なにごとも

なかったとしても


・・・・・




助教授になりたての


あの

若かりし頃


あの頃なんて

究極にあぶなかった


多忙な大部屋講師時代からうってかわり

教授のお隣の

個室が与えられるのだ


その昔

助手でも大学院生でもない

卒業研究のために

講座に分配されたわたしの


大恩師が当時助教授としていらっしゃった


まさに


おなじ


部屋に


時の流れの


順送りとはいえ


まだまだ修行が足りない

若輩者の私が


部屋の主となるべく

足を踏み入れた時には


ひざが震えたものだった



助教授になりたては

あぶないのだ


昨日までの

仲間が

部下になる


昨日までの先輩も

部下になる


(先輩は部下になったって

先輩だから

本当に

気をつかわなければ・・・!)


あいつが

助教授になりそうだってのは


だれしも

うすうす

感づくから


表立った波乱はないが


失うものも多いのだ


・・・・・


回想シーンが長くなってしまった


わたしは


目の前の学生を

やはり

放置するわけにもいくまいと


「ここで立ち話もなんだから

お茶の飲める場所へ

移動しましょう」


上品に


応えた。


・・・・・


大講堂から

講座の教授室へ向かう

道すがら


黙っているのも

間が保たず


カウンセリングの

基本からはずれはするが


あたりさわりのない

はなしを


するともなく

はなしかけた


「なにかあったのですか?」


「ええ、同級生と話が合わなくて

浮いているんです私」


賢そうだが

理屈っぽそうで

まだまだ

何かに発展しそうな友達とか

いなさそうな

お堅そうな

肩の凝りそうな

神経質そうな・・・


なんか

ネガティブコメント?の羅列?


わたしは案外

辛辣なのかもしれぬ?


・・・・・


階段を上ったり


渡り廊下をわたったり


透明なガラス越しに


わたしは


どんなふうに


通行人に

見られているのだろう



自意識過剰を楽しむ


なんの責任もなく


ただ


わかいひとと


つれだって歩く


またぞろ


教授仲間に

からかわれなければよいが・・・




わたしは


むしろからかわれたい


今すぐにでもみせびらかしたい


おまえ


何やってんだよと


たしなめられたい



そんな


こどもっぽい

こそばゆい想いを楽しみながら


とうとう


教授室のまえに

たどり着いてしまった



そう

今では

わたしが

この教授室の

あるじ


れっきとした

講座教授なのだ!(えっへん)



「わたしのみちが 


ふたつにわかれてる・・・?」


「そのひとつがまっすぐに


教授室のほうへ?」




む・・・ごほん


わたしは


90度


方向変換して


教授室のとなりの

助教授室のさらにとなりの


すなわち


講座秘書のおばちゃん(講座の真の支配者)

管理する


広めの大机と


講座の中堅講師たちのデスクが数個ひしめきあう


みんなのたまり場ルームへ

わかくて美しい学生を促して

向かったのであった



ちょっと惜しい気もするが?


この無難な立ち居振る舞いが


学生の人気をキープしつつ

教授としての立場を保つ

絶妙のバランスなのだ?


わたしは


久方ぶりの

ウキウキ気分を

ようやっとしずめて


秘書のおばちゃん・・・もとい

講座の女王様に


学生を紹介した



講座の女王様は

「まあ~かわいい~!」

にっこにこで


しかし

わたしに


あごで指示を出す



わたしは



自分で紅茶を三つ入れて


みんなの駄弁り場所


大きい机に


うつくしい学生と

女王様と


そしてついでにわたしのために


そっと置いたとさ!



・・・・・




続くか続かないかは


“大”教授であるわたし



気分と

能力次第?



ではまた!


教授である「わたし」さんは、立場に似合わずけっこうお茶目でズッコケなひとかもしれません・・・?

続きを作れるかどうかは・・・教授「わたし」さんの、気分と能力次第です?登場人物、場所、組織、出来事などはすべて架空です。いつもお付き合いいただきありがとうございます<(_ _)>(*^-^*)ではまた!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 身分と立場はわきまえないといけませんね◎ どこでなんて言われるかわからない世の中です(。>﹏<。)
[良い点] うわっ、難しい相談キタ〜(;´Д`) 流れるような心理描写が心地よくて癖になります〜(*´艸`*)人間関係は面倒くさいのです〜(¯―¯٥)
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