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短編小説 私の知り合いの●●シリーズ

短編小説 挑戦は夢を現実にする

作者: 猫田蛍雪

 私の知り合いには、オンドリ親分という人物がいる。

 彼は、航空部隊の隊長である。


「仕事終わりに食べる焼き鳥は美味しいですな」

 一段落して、大熊は、オンドリ親分と共に焼き鳥を食べていた。

「オホン!君は嫌みで私を招いたのかね? 」

 オンドリ親分は不機嫌そうにきいた。

 なぜならば、オンドリ親分を目の前に、焼き鳥を食べているからである。

「とんでもない。あなたもそう言いつつも共食いしているではありませんか? 」

 大熊は、心に刺さるような言葉で、オンドリ親分に言った。

「共食いではない、これは食用のものだ! 」

 この世界で不思議なことは、人間のように、話したり活動できたりする生物がいるということである。

 また、食用に殺される生物がいるというのは驚きだ。

「作者は不思議そうに書いているが、現実世界でもあるだろう? 」

 大熊は、そのように言い、オンドリ親分にきいた。

「そうだな?例えば、ディズニーのキャラクターか? 」

 オンドリ親分の言いたいことは、以下のことであると考えられる。

 ディズニーのキャラクターには、ブルートとグーフィーがいる。

 この両者に共通しているのは、イヌという分類に所属していることである。

 しかし、両者の相違は、ブルートはグーフィーのように人間の言葉を話すことができないことである。

「例を挙げれば、きりが、ないから気にするな」

 頭の四角いオンドリ親分に、頭が丸い大熊は言った。

「その問題は、後に考えるとして、君は大学で出された課題はやったのかね? 」

「もちろん。期限ぎりぎりにやることにしている」

 大熊は、自信満々に発言した。

 その発言にオンドリ親分は、あきれて真剣な顔をして言った。

「いいか、コスモス通信大学で、どんな成績を取得したかで、今後の人生が決まるのだぞ! 」

 そんな頭の四角いオンドリ親分の発言をきかずに、大熊は笑って答えた。

「いいか、君の頭は、作者が書いているように四角いのだよ」

「つまり、お前は頭が丸いということか? 」

 オンドリ親分は、怒ったような態度できいた。

「いやいや。君は人生を、目には見えない箱で、窮屈に生きているだけだ」

「ならば、頭の丸い、君の人生とはなんだ! 」

「確実とはいえないが、その場の状況に応じて臨機応変に対応することが重要なのだ」

「いいか、社会とはルールという箱があるから成り立っているのではないか? 」

 オンドリ親分の答えは正論であった。

 社会には、ルールが存在して個人の行動や活動を制限する。

 この制限する理由は、一言で述べることは難しい。

 しかし、ルールがあるからこそ、社会が成り立つのではないか。

 そんな言葉を受けて大熊は、言葉を返した。

「ルールは守りつつ、その範囲内で動くことはできるであろう」

「・・・・・・ 」

 オンドリ親分は納得した様子で黙ってしまった。


 それから、私たちは今後の人生について語り合った。

「君は、卒業後は移民が多い島へ戻るのか? 」

 オンドリ親分は、大熊にきく。

「そうだね・・・・・・ 」

 大熊は少し考えてから答えた。

「私の島は、人口が少なく未来が危ういから戻るかもしれないな」

「その島は、移民が多いのか? 」

「いや。移民が多かったのは、明治から大正末期までの話だよ。それ以降は、貿易の中継地点として利用されるまでに小さな存在となってしまったよ」

「私が君ならば、人を集めるようなことをするために、役場に就職するがね」

 オンドリ親分は、そう言いオレンジジュースを飲む。

「君は頭が四角いと思っていましたが、丸いのかもしれませんね」

「その考えの変化は、どんなことから起こったのだ? 」

 先ほどの発言と大きく異なった発言をしたので、オンドリ親分は驚いた。

「いや、私は何となく島へ戻って、適当に就職すればいいと考えていました。しかし、その何となくという誰にでもできるような考えでは、未来を変えることができないと、君の言葉で気がつきましたよ」

 大熊は、照れるように笑いながら、オレンジジュースを飲む。

「君はどうなのだね? 」

「私か? 」

 大熊と同様に、しばらく考えた後に、笑いながら言った。

「恥ずかしい話だが、何も考えていないから来年の就職活動の時、困るかもしれんな」

「おいおい、友人よ。笑い事ではないぞ」

 大熊は言った。

「まあ、あるとするならば、コスモス軍の航空部隊の隊長になることかな? 」

「夢があっていいではないか」

「おい、友人よ。夢は夢だ、夢と仕事は異なるぞ」

「しかし友人よ。夢を仕事にしている人もいるが、どう説明する? 」

 大熊は、難しい質問をした。

 オンドリ親分は、自分で頭の四角いことを言っていたことに気がついた。

「そうか。夢に挑戦する前から諦めているから夢は夢として捉えているのか! 」

「そうさ。やはり君の頭は丸いらしい」

 大熊はそのようにオンドリ親分をほめた。


 そのオンドリ親分の発言が、未来において現実のものとなったとき、私は驚いたのであった。

 また、オンドリ親分も大熊が島で、役場のトップに立候補し当選したから驚いた。

 そして、今日の同窓会で、私たちは、大学時代の思い出話をするのであった。


 終わり

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