618列車 松本ぉ、松本ぉ、松本ぉ
2062年4月5日・水曜日(第29日目)天候:晴れ 東日本旅客鉄道大糸線松本駅。
「本当に黒いお城・・・。」
「岡山城が烏城・・・。松本城は烏城。字は同じなのになぁ・・・。」
ややこしい・・・。どちらもその名に恥じないくらい黒いお城だが・・・。多分、日本全国のお城が現存しているとしたら、同じ愛称になっているお城がやたらめったらたくさんあるかもしれないなぁ・・・。それはそれで面白いかも・・・。
松本城の中に入ると、外の光がほとんど入ってこない空間がある。松本城は5重6階の構造なのだが、見た目には5重5階にしか見えない。この空間は5重5階にしか見えないところに設置された隠し階とでも言うべきか。
「それにしても天井低いなぁ・・・。」
「昔の人たちはこの天井でも上にぶつからなかったのよね。」
「・・・。」
確かにぶつからなかったのかもしれないけど、
「どうかした。」
「んっ、いや。兜の飾りとか天井に当たらなかったのかなと思って。」
「兜の飾り・・・。」
「「愛」とか着いてたら、色んな所にぶつからなかったのかなって。」
「真田幸村はここ居城にしてないでしょ。」
「くだらない・・・。兜の飾りが付いていても問題ないくらいの背の高さだったんでしょ。。」
「でも、動くたんびに天井に・・・。プッ・・・。ククク・・・。」
「・・・。」
ツモッタ。
松本城は過去の要塞である。光が中に入ってくる場所を見ると、石垣が見える。ここは石垣を登ってくる敵軍を落とすために、ここから石を落とすための穴と言うことらしい。ここから石おとされたら、敵軍にはなすすべがないだろうなぁ。
「上に登ってみるか。」
急な階段を上り、松本城の最上階に向けていく。
「結構急だな。」
「荷物置いてくればよかった・・・。」
背中が重いし、足も重い。
松本城を後にして、近くの開智学校に来てみる。この学校は社会の教科書にも載ることのある学校らしいが・・・。西洋風の建物の後ろには今も現役の開智学校がある。
「西洋風の中に日本が入ってるんだよなぁ。」
こういうのを擬西洋建築と言うらしい。建物をつぶさに見ていると装飾はまず日本の信者とかに見られるものの方が多いような。天使はいるけど、西洋の天使みたいに人間っぽくもなく、浮世絵で描かれる人間とは少々かけ離れた感じのもののような・・・。
「ゆっくり勉強でもしてく、ナガシィ。」
「お断り。」
「じゃあ、私の勉強にする。」
「乗りません。」
お昼ご飯を食べ終わり、大糸線に乗って北上する。大糸線は景色の良い方に架線柱を設置していないと聞く。確かに、風景を見ていると綺麗な方は開け、普段の路線や山側にあたる方向に架線柱が立っている。そのことはあながち間違っていないらしい。
南小谷駅について、再び西日本旅客鉄道管内に戻る。キハ120系が僕らを待っていた。制限25キロ、30キロという看板を横目にゆっくりと走りながら、僕らの神経もやられていく。久しぶりにキハ120系に乗ったので、遅いと言うことを忘れていたな・・・。
松本14時09分→信濃大町15時03分
信濃大町15時08分→南小谷16時07分
南小谷16時23分→糸魚川17時20分
最長往復切符往路糸魚川駅で途中下車
一口メモ
東日本旅客鉄道E131系
2両編成ワンマン運転に対応する閑散線区向け通勤電車。ベースはE239系をもとにしており、トータルでコストダウンを図っている。




