727列車 疲れなど関係なし
2062年5月28日・日曜日(第82日目)天候:雨 西日本旅客鉄道東海道本線守山駅。
朝になると自然と目が覚める。時間は5時30分をまわったところだ。
(腹時計の正確さには嫌気がさすなぁ・・・。)
そう思いながらも起き上がった。
「おはよう。ナガシィ。」
そう声をかけられたので、振り返る。萌も起きていたみたいだ。
「今起きたの。」
「うん、ちょっとね。まだ早いけど、普段から早起きしてるせいかこの時間に目が覚めちゃうのよねぇ・・・。」
「・・・亜美ちゃんでも手伝ってくれば。」
「今日ぐらいゆっくりさせてくれたって良いじゃない。普段からナガシィのお世話はしてあげてるんだし。」
「・・・それもそうか・・・。僕ももうちょっと寝ようかな。」
「寝られる。」
「無理だろうけどさ・・・。萌の隣でゆっくりさせてくれたって良いじゃない。」
しばらく布団でゆっくりしていると部屋の外から物音が聞こえてくる。日曜日だというのに、家の人間も早起きなものだ。結局布団でゆっくり出来る時間はそう長くは無い。僕たちもその音にかき立てられるように布団からでるのだ。
「おはようございます。」
リビングに行くと亜美ちゃんが朝ご飯の用意をしている真っ最中だった。
「今日は休んでいてください。せっかくの休養日なんですから。」
「ええ。そうさせて貰うわ。」
「・・・。」
6時30分までの間に全員が起きてきて、朝ご飯となる。朝ご飯を食べ終われば、孫達は皆思い思いに遊びにでる。
「バアバ。遊んで。」
ここ最近全く遊べていないからなぁ・・・。孫がせがみに来るのだ。これじゃあ休まるものも休まらないなぁ・・・そう思いつつも遊んで仕舞うのは孫がたいそう可愛いからに他ならない。
「・・・何して遊ぶの、海来ちゃん。」
「うーんとねぇ・・・。カードゲーム。」
「カードゲーム。」
「うん、バアバ強いんでしょ。」
「・・・うーん、強いのかな。」
「遊んであげれば、泣かれない程度に。」
「もう、人ごとだと思って。・・・ナガシィも来るVRネットワーク。」
「ジイジも一緒が言い。行こう、行こう。」
「分かった、分かった。」
「じゃあ、遊びに行こうか。」
そう言うと萌は3つヘルメットを取ってきた。あのヘルメットを被って特定の単語を言うとゲーム世界のVR空間に入ることが出来るって言う優れものである。今のゲームってここまで進化したんだよなぁ・・・。時代の変化に追いつけない・・・。
「Into the VR○INS。」
次に目が覚める時、そこはVRの中である。




