544列車 三次へ
2062年3月3日・金曜日(第-4日目)天候:雨 西日本旅客鉄道東海道本線守山駅。
「ナガシィ。起きて。」
その声で目覚めた。昨日は守山駅まで戻ってきたので、家からのスタートである。今日は三次まで行けばいい上に、福山駅に16時12分までに行っていれば良い。そういうこともあってか今日はゆっくりと寝ていた。時間は7時54分。結構寝た・・・。
「おはよう。」
眠い目をこすりながら、リビングに降りていくと熱々の朝ご飯が置いてあった。
「おはようございます。」
亜美ちゃんが声をかけてきた。
「ああ。おはよう。」
「昨日は小海線の野辺山駅まで行ったのですよね。」
「ああ。良かったよ。空気がおいしかったね。萌。」
「うん。また行きたいわね。」
「そうですか。それはそうとドライバードロイドはどうでしたか。」
「ああ。それにはビックリした。」
「うん・・・。でも、車運転する為に開発されたドロイドだけ有るわね。すごく乗り心地良かったし。」
「良かったです。研究開発機関にもそう伝えておきますね。」
「あっ、アレで何かのレビューしてた。」
「いえ。製品にいい評価をくださるのは開発に携わった人たちも喜ぶと思いまして。」
「伝えといて。すっごく良かったって。」
「畏まりました。話は変わりますが、お二人にお渡ししたいものがあります。」
そう言うと亜美ちゃんは自分の手を拭いてから、一枚の紙を持って戻ってきた。紙には黒と赤で書かれた文字がびっしりと埋まっている。黒が液で赤が路線であることはすぐに分かった。
「最長往復切符の経由地です。窓口で確認することとなると思いますので、お持ちください。」
「分かった。ありがとね。亜美ちゃん。」
「どういたしまして。」
お昼を食べ終わってから守山駅まで出る。
守山13時02分→京都13時28分
守山駅から大阪方面行きの普通列車に乗り京都駅まで出る。普通列車に乗って新大阪に行くことも出来るがこの列車で新大阪まで向かうのはやめることにしよう。僕らは歩いて30番線ホームに行った。
30番線に止まっている列車は関空特急「はるか」だ。
京都14時00分→「はるか33号」→新大阪14時30分
14時00分に京都を出発。「はるか」は京都鉄道博物館を横目に貨物線を走行する。「はるか」の運行は貨物線を活用しており、新快速から見る目線とは違うところを走る。桂川駅が見える手前で坂を上り、東海道本線をまたいで向日町駅の付近で東海道本線に合流する。
「「はるか」でここを通るのは初めてだな。」
「そりゃ、向こうからだったら新快速しか乗らないからな・・・。こういうの見ると「はるか」って結構おかしな走り方してるって分かるね。」
「おかしなねぇ・・・。」
新大阪14時42分→「のぞみ37号」→福山15時45分
福山16時12分→府中16時57分
府中17時04分→三次18時52分
新大阪からは新幹線を利用して福山へ移動。福山からは福塩線の電車に乗り、府中へ向かう。府中に到着すると僕らをキハ120系が待っている。
「ナガシィ、来よ。皆大好きキハ120。」
「ハハハ・・・。あんまりあたりたくないディーゼルカーだな。」
福塩線の非電化区間を走るキハ120系。中国地方のローカル線ではまだまだ元気に走っている。これからの旅ではこのキハ120系に何回もお世話になることになるだろうなぁ。そういうこともあって今からこれにやられるわけにもいかないかな・・・。
キハ120系はゆっくりと川沿いを走る。
「ゆっくりだねぇ。」
「ゆっくりだな・・・。」
「GPSの速度計アプリ起動してみれば。何キロ出てるか分かるよ。」
「ふっ・・・。知ってるくせに。」
時速25キロ、30キロというゆったりとしたスピードでキハ120系は走る。この列車には学生がたくさん乗っており、ゆったりしたスピードの列車でもちゃんと役に立っていることが分かる。
(福塩線で通学するより、車で通学したほうが断然早く通学出来るんだろうけどなぁ・・・。)
それぞれの家庭の事情があるからそうも行かないところが多いか。
三次には18時52分到着。今日は昨日とは打って変わって短い移動となった。
若狭小浜→嬉野温泉の乗車券塩町駅まで使用
塩町→三次間三次駅で運賃精算の上乗車
一口メモ
西日本旅客鉄道231系
西日本旅客鉄道が開発した第8世代新快速車両。0.5M方式、クラッシャブルゾーンの設定など基本設計は229系を踏襲する。
西日本旅客鉄道271系
287系・289系の置き換え用の特急型電車。紀勢本線の特急「くろしお」と山陰方面行き特急「こうのとり」・「きのさき」・「まいづる」・「はしだて」に投入された。西日本旅客鉄道はこの車両を次世代の標準車両として位置づけており、「くろしお」向け0番台。山陰向け1000番台。「はるか」向けに2000番台を製造している。
西日本旅客鉄道N700系3000番台
東海旅客鉄道と共同開発された車両。通称N700Z。最後のN700の意味がある。このN700Zは山陽新幹線全ての列車の営業運転に就ける。16両編成(グリーン込み2.5両)の場合輸送力が過大となるときには編成を12両(グリーン込み1.5両)ないし8両(グリーン込み0.5両)に短縮出来るなど運用の幅を利かせている。臨時便で九州新幹線の各列車(「みずほ」、「さくら」、「つばめ」、「あかつき」、「かもめ」)に投入されることが有る。
西日本旅客鉄道223系5600番台
関西地区で新快速の運用を終えた223系2000番台の多くは2両または3両編成に短縮され、中国地方に流れている。その時ワンマン運転対応工事と短編成化で誕生したグループ。顔は223系の原型顔と当時製造されていた227系と同じ顔の2つのタイプが存在する。8両編成から3両編成2本と2両編成1本。6両編成から3両編成2本がそれぞれ改造された。
西日本旅客鉄道キハ120系
西日本旅客鉄道が非電化閑散線区向けに製造した軽快気動車。大規模な改修は施されたがまだまだ使い続けるらしく、置き換えなどは発表されていない。




