698列車 OYKOT ヴィクトリー
2062年5月13日・土曜日(第67日目)天候:曇りのち晴れ 東日本旅客鉄道飯山線十日町駅。
十日町に着いてから、僕たちは十日町を歩き回って、戻ってきた。十日町駅に着く頃には結構疲れた状態になる。
最後の力を振り絞ってホームへとあがった。十日町駅は高架橋になっている。これはここで合流する北越急行の絡みもある。北越急行は北陸新幹線が開業する以前持続160キロで走る特急「はくたか号」を運行していた。持続160キロ走行のため、あらゆる設備を高架やトンネルにして安全を確保していたのだ。まぁ、それはいいとして・・・。
ホームにあがるとディーゼルカーが止まっている。さっき乗ってきた「越乃Shu*Kura号」と同じようにカラフルだし、昔の日本家屋みたいな模様をまとっている。だが、使っている車両はさっきの「越乃Shu*Kura」とは違い、見慣れたGV-E410系だ。
この列車は快速「おいこっと号」である。この列車の「おいこっと」とは「Tokyo」をひっくり返して「Oykot」と読んだのが由来である。東京の喧噪とは対照的な飯山線を走っているから、いいネーミングだと思う。
十日町15時30分→「快速おいこっと」→飯山17時03分
時間になると「おいこっと」はゆっくりと十日町駅を離れる。
発車してからすぐに、僕らの机に野沢菜が運ばれてくる。
「運ばれてきたね。野沢菜。」
「そうだね。ナガシィ辛い物苦手だよね。」
「そうなんだよなあ・・・。これどうしようかが問題なんだよねぇ。野沢菜。」
「「おいこっと」に乗ってそれが一番の問題って言うのが笑えるんですけど。」
「別に笑わなくてもいいでしょ。」
「えー、笑っちゃうわ。」
笑っちゃうって。さっきの腹いせか。
走り出してしばらくすると「おいこっと」のアテンダントがやってくる。乗車記念のボードを持っているため、僕らはそれを持って写真を撮って貰う。スマホを返して貰うと、萌はその写真を僕に見せて、
「こういう所をちょっと編集したいかな。」
と言いながら、僕の顔をなぞった。
「編集ってなぁ・・・。編集するようなもんじゃないでしょ。」
「さっき笑われた腹いせに消しちゃおうと思ったんだけどなぁ。」
「やっぱり腹いせかよ。」
ゆったりとした1時間30分の時間が流れて飯山駅に到着。そこから北陸新幹線に乗り換える。
飯山17時20分→「はくたか669号」→糸魚川17時48分
13分走ると上越妙高駅に到着。上越妙高からは西日本旅客鉄道の管轄に入る。上越妙高の次の駅糸魚川駅で下車する。駅名標は東日本旅客鉄道の緑色のラインが入ったものから西日本旅客鉄道の青色のラインが入ったものへと変わる。
「ようやっと西日本旅客鉄道を使うまで戻ってきたんだな。」
「ホントねぇ。そろそろ最長往復切符の旅にも終わりが見えてきた感じよねぇ。これを見ると。」
「まだ東海旅客鉄道とかも使わないといけないんだけどね。」
「ハハハ・・・。でも、ここまで長いようで短い気がするなぁ。」
最長往復切符復路糸魚川駅で途中下車
一口メモ
快速「おいこっと」
東日本旅客鉄道が運航するのって楽しい列車の一つ。長野~十日町間を運転する。列車名の「おいこっと」とは「東京」のローマ字表記を逆から読んだものが由来となっている。




