697列車 負けフラグ
2062年5月13日・土曜日(第67日目)天候:曇りのち晴れ 東日本旅客鉄道信越本線柏崎駅。
「ちょい、ちょい。昨日のことはまだ聞いてないわよ。」
「もういい加減いいんじゃないんですかねぇ、萌。」
「よくないわよ。昨日の本音はちゃんと聞かせてくれないと。夏に黒くなるのは私を振り向かせたいからでしょ。」
「・・・。」
「ちょっと、無視するな。」
「別に無視はしてないよ。」
「無視してるでしょ。ねぇ、答えてくれたっていいじゃん。減るものじゃないんだしぃ。」
「・・・別に振り向かせたいとかは思ってないけど・・・。」
「けど。」
「萌のことを惚れ直させたいのは・・・。」
「何、最後聞こえないんだけど。・・・フフフ。大好き。」
「・・・。」
恥ずかしいなぁ・・・。
今日もホテルでゆっくりチェックアウトぎりぎりまで過ごしていた。ホテルをチェックアウトしてから、僕たちは柏崎駅へと向かった。柏崎駅にあるお菓子の自販機でお菓子を買って、それを食べてゆっくりする。
しばらくたってからホームへと出て列車を待った。出発時間が近づいてくると直江津方面から紺色のディーゼルカーが入線してきた。GV-E310系というジョイフルトレインによく使われる車両。この列車は東日本旅客鉄道の乗って楽しい列車の一つ「越乃Shu*Kura号」だ。
柏崎10時57分→「快速越乃Shu*Kura」→十日町12時32分
最長往復切符復路柏崎駅から使用再開
僕らは3号車の自分たちの座席上にある荷物棚に荷物を置いてから、2号車に向かった。2号車はイベントスペースになっている。ちょうど人盛りができていた。全員この列車に乗っている人たちだろう。
「それではただいまよりじゃんけん大会を始めます。」
視界の盛り上げに建っている人たちが答える。
「それでは行きます。最初はグー、じゃんけんぽん。」
「どう、萌勝った。」
「フフーン。勝ったわよ。ナガシィ負けてる・・・。フフフ。」
「笑うことないだろ。」
「じゃんけんに弱い人は黙ってなさい。」
「はい、はい。」
「第2回戦行きまーす。最初はグー、じゃんけんぽん。」
「フフーン。連勝。」
「はい、はい。凄いですねぇ。」
「このまま景品まで一直線行っちゃおうかな。」
「それでは第3回戦行きまーす。最初はグー、じゃんけん、ポン。」
「あっ。」
「クッ・・・。調子に乗ったな。」
「コラ、笑うな。」
「越乃Shu*Kura号」は宮内駅に停車。最長往復切符のルートは宮内駅で折り返すことになっているが、僕らは隣の長岡駅まで乗り通す。長岡に停車後、宮内駅方面に折り返して、飯山線内に直通していく。宮内→長岡間は運賃を払わないが、「越乃Shu*Kura号」が宮内駅を一度通過することで特例が適用されるため問題ない。
宮内→長岡間特例適用の上便宜乗車
長岡駅から自分の席に戻った。
「この列車って便利よねぇ。乗り換え無しで十日町まで行っちゃえるんだもん。」
「便利というか、時間はかかるかな。」
「・・・でも十日町でどうする。何にも考えてなかったけど。」
「あっ、そういえば考えてなかったなぁ・・・。着いたらまずはお昼ご飯じゃない。」
「じゃあ、調べておいてね。」
「調べるの面倒だな。行ってからでいいんじゃない。」
最長往復切符復路十日町駅で途中下車
一口メモ
快速「越乃Shu*Kura号」
東日本旅客鉄道が運航するのって楽しい列車の一つ。運行系統は3つあり、上越妙高~十日町間を「越乃Shu*Kura」、上越妙高~越後湯沢間を「ゆざわShu*Kura」、上越妙高~新潟間を「柳都Shu*Kura」として走っている。




