687列車 狂気浮遊
2062年5月7日・日曜日(第61日目)天候:晴れ 東日本旅客鉄道東北本線平泉駅。
平泉駅に戻って、在来線に乗り一ノ関に向かう。一ノ関からは新幹線に乗り換える。
平泉12時26分→一ノ関12時33分
一ノ関12時50分→「やまびこ146号」→古川13時09分
一ノ関12時50分→「やまびこ146号」→仙台13時22分
「ああ、これでもう帰っちゃうのか。明日からはまた括弧宇陀市なぁ・・・。」
「常陸兄にはこれぐらいがちょうど良いと思われ。」
僕たちは9号車に乗り込んだ。東北新幹線の9号車はグリーン車である。10号車は「グランクラス」であるが、僕たちは一ノ関→古川間だけの乗車であり、乗車時間は20分程度である。乗車時間の割に料金ばかりが高くついてしまう。さすがに「グランクラス」を短時間乗車するという気にはなれないのだ。
「やまびこ146号」は加速し、しばらく走ると田んぼの真ん中で止まる。周りに何もないところはくりこま高原の駅である。くりこま高原を出発し、次の停車駅に古川駅に停車。僕たちはここで降りる。
「まもなく古川です。陸羽東線はお乗り換えです。本日も東北新幹線をご利用くださいまして、ありがとうございました。古川の次は仙台に止まります。」
「さて、萌。」
「うん、二人とも気をつけて帰ってね。私達はもうちょっと楽しんでから帰ることにするから。」
「俺もついていきたいなぁ。」
「この場かは黙らせて億から二人は安心して、降りると良いわけで。」
「ちょっと、稲穂。それは酷すぎるんじゃないかな。」
「全然酷いことはないと思われ。むしろ学業をほっぽって旅行についていこうと思っているその根性が行けないわけで。」
「まぁまぁ。二人とも仲良く帰るんだよ。帰ったらLINEしてね。」
「はぁい。」
「残念。」
僕たちは席から立ち上がり、通路に出る。常陸と稲穂もデッキまでついてきてくれる。新幹線は減速しており、しばらくして床の方が騒がしくなる。ポイントを車輪が超えていった音だ。すぐにホームが見えてきて、スピードがさらに下がる。列車が完全に止まると「ドアが開きます。」という電子音声と共にドアが開いた。
「じゃあね。二人とも。元気でね。」
「はぁい。」
「おじい、おばあ元気でね。戻ってきたら、また感想聞かせて欲しいなぁ。」
「待っててね、稲穂ちゃん。」
「常陸も元気出しなさい。」
「分かってるよ。」
「12番線「やまびこ146号」東京行きが発車いたします。」
アナウンスが流れ始める。
「じゃあね。」
二人に手を振っていると「ピーッ」という電子音が流れドアが閉まる。そして、二人を乗せた「やまびこ146号」はまっすぐ延びる線路の彼方へと消えていった。
「二人ともちゃんと帰れるかしら。」
「常陸がついてるから大丈夫だろ。常陸はああ見えてもしっかりしてるから。」
「それはそうだろうけど・・・。」
「萌はいつまでたっても変わんないなぁ。」
「何。良いでしょ。別に。」
「あっ、列車の乗り換え時間短いんだった。」
「えっ、それは先に言え。」
古川13時15分→小牛田13時27分
小牛田13時38分→石巻14時12分
石巻14時24分→仙台15時51分
仙台までの道のりは早い・・・。
最長往復切符復路仙台駅で途中下車
一方、私達は二人が見送っているのを新幹線の中から見送り、仙台駅へ向かう。二人がこの仙台駅に来るのは早くても2時間以上後だと言うから二人がしている旅の大規模さが見て取れる。
仙台でいったん新幹線から降り、別の新幹線に乗り換える。
仙台13時30分→「こまち18号」→東京15時04分
「随分と小さい新幹線ね。これで新幹線なの。」
「これはミニ新幹線って言ってね。昨日「とれいゆつばさ」って言うのに乗ったろ。アレと同じ在来線規格で作られた新幹線なんだよ。東日本旅客鉄道でしか走ってないから、こっちに来た時はちゃんと乗っておきたいんだよな。」
「・・・わけが分からないと思われ。」
新幹線はさっき乗った新幹線よりも明らかに違うスピードで走っている気がする。
「ねぇ、常陸兄。この新幹線浮いてるわけじゃないよね。」
「浮いてるわけねぇだろ。リニアじゃないんだぜ。」
「じゃあ、何。この全然接地感のない走りは・・・。」
「そんなのE18系には普通の話だろ。」
(ダメだ、私にはついて行けない・・・。)
「ていうか、ちょっと怖い。降ろしてーっ。」
東京→山手線→品川
品川15時53分→「ふじ387号」→新大阪17時12分
北上→大阪市内の乗車券(連続2)新大阪駅で使用終了
新大阪17時35分→「新快速」→守山18時26分
新大阪→京都間の乗車券使用開始および終了
京都→守山間の乗車券使用開始および終了
新大阪→守山間の乗車券使用開始および終了




