684列車 かまくら
2062年5月6日・土曜日(第60日目)天候:晴れ時々曇り 東日本旅客鉄道奥羽本線新庄駅。
新幹線ホームに「とれいゆつばさ」が入線する。僕たちは輝君達の家族と一緒に「とれいゆつばさ」から降りた。
「輝君達はこれからどうするのかな。」
「私達はこれから陸羽東線に乗って鳴子温泉に行きます。まぁ、ちょっと新庄の周りを回ってみようと思っていますけど。」
「そうなの。じゃあここまでね。私達はこのまま奥羽本線に乗っていくから。」
「そうですね。」
最長往復切符復路新庄駅で途中下車
京都市内→北上間の乗車券(連続1)新庄駅で途中下車
東京都区内→東京都区内の乗車券新庄駅で途中下車
僕たちは途中下車して、お昼ご飯を買った。お昼ご飯を買い終わると輝君達は分かれていった。
新庄12時56分→横手14時17分
僕たちは少しの間待合室で待ってE723系に乗って奥羽本線を北へと進んでいく。
固いロングシートに座っているとだんだんとおしりが痛くなってくる。今回も新庄→横手間で途中下車の予定はないのだ。
「次は及位、及位です。」
「及位。」
常陸と稲穂が読みに反応する。
「ナガシィが好きな奴よね。私の覗きならいくらでも・・・。」
「何言ってるのかな。」
それよりもあの感じで「及位」と読むんだよなぁ・・・。難読にもほどがあるだろ。確か、鉄道ファンの中でもかなり権威のある人が「及位」と「特牛」は屈指の難読と紹介していたような・・・。
14時17分横手駅に到着する。
最長往復切符復路横手駅で途中下車
京都市内→北上間の乗車券(連続1)横手駅で途中下車
次に乗る路線は北上線であるが、北上線の列車は僕たちの乗ってきた列車の到着28分前に発車してしまっている。次の列車は17時16分発までない。僕たちは横手の街へと繰り出す。
僕らはその足で横手市役所に向かう。日曜日であれば普通の行政機関はお休みである。しかし、横手市役所のかまくら館と呼ばれる一角は開いている。僕らはかまくらのために作られた巨大冷凍庫の中へと入った。
「うっ、寒い。」
「スーツで来るような所じゃないわね。」
「ヤバい。今日スカートはくんじゃなかった・・・。」
「これ凍死出来るんじゃ。」
全員凍える。
少しかまくらの中に入ってみたが、よくある「かまくらの中は暖かい」は嘘なんだということを実感する。かまくらの中に入っても空気が冷たいからかまくらの中は暖かくはないのだ。
「もう、でよう。でよう。」
その声で、僕たちは冷凍庫の中から出た。
ところでかまくらっていうのは先に雪を積み上げて、中をくりぬくことでできるという。中を最初からつくりながら雪を積み上げていくわけじゃないんだな。少し考えてみれば、雪で天井を作る時に下から作っていたら天井を作ることができないか。
横手市役所のかまくら館によってから僕たちは横手やきそばを買う。横手も富士宮と同じように焼きそばが有名らしい。有名なだけあって美味しかった。
列車の出発まではあと1時間ほどだ。
東日本旅客鉄道陸羽東線新庄駅・・・。
「ほら、柳都君。ゆのかちゃん。電車だよ。」
(電車じゃないんだけどなぁ・・・。「リゾートみのり」は・・・。)
そう思いながらも、あさひが二人と止まっている「リゾートみのり」に乗せる。前に乗った車両と同じのが止まっているけど、これ更新しないのかな・・・。
「シンクン、早く。」
「ああ。」
「・・・シンクン、どうかしたの。さっき光君のお母さんに切符見せて貰った時もそうだけど・・・。普段のシンクンなら目をキラキラさせるのに。」
「よく見てるねぇ・・・。」
「何年あなたの嫁やってると思ってるのよ。」
「ハハハ・・・。今日付き合ってくれるなら教えてあげようかな。」
「付き合うんなら教えて貰わなくても良いわ。本当、私のこと好きよねぇ。」




