675列車 走れ、人権の為に
2062年5月3日・水曜日(第57日目)天候:晴れ 東海旅客鉄道リニア中央新幹線品川駅。
守山5時36分→京都6時06分
京都6時14分→「ひかり200号」→名古屋6時48分
名古屋7時09分→「ふじ208号」→品川8時03分
守山→山科間の乗車券使用開始および終了
京都市内→北上間の乗車券(連続1)山科駅(京都市内)から使用開始
「アーッ、もうすぐ終わっちまうのか。」
私の席の隣でそう言う奇声を上げるのは常陸兄だ。
「終わっちまうって・・・。リニアから降りるのがそんなにアレなの・・・。乗っていたければこのまま滋賀まで折り返していけばいいと思われ。」
「馬鹿、滋賀にはリニアは走ってねぇだろ。」
「どうでも良いと思われ。」
「・・・そんなことより品川に着いたら走るから、ちゃんと荷物降ろしとけよ。」
「はっ。」
「はっじゃない。走るの。」
「あんたは底知れぬ馬鹿と思われ。私は今日初めて東京に来たのであって、見ず知らずの土地を走るとかぬかす奴の気が知れないわ。」
「すべこべ言うな。品川から東京までは山手線か京浜東北線で7分かかる。品川のリニアから山手線、京浜東北線への乗り換え標準時分は20分以上。東京での乗り換え標準時分は7分。乗る「はつかり9号」は8時40分出発。ゆっくり言ってたら間に合わないんだから。」
「常陸兄はそれで間に合うと思うけど、人が一緒にいるって事はもう少し考えた方が良いと思われ。」
とこういう会話をしている場所はリニアのグリーン車はわけで。少々声が大きかったせいか周りの視線が痛い。
リニアはまもなく着地し、さらにスピードが下がる。その頃、私達は荷物を持ってドアの所へ歩いた。暗いくらいトンネルの中がパッと明るくなるとそこは既に駅である。
「稲穂。準備いい。」
「こっちはいつでも・・・。」
もう諦めよう、色々と・・・。
停車し、ドアが開くと私達はホームへと飛び出す。一斉に多くの乗客がホームにあふれかえる。だが、グリーン車に乗っていた私達はすぐに階段へと歩みを進めることができる。階段を駆け上がり、長く続く通路を走る。東京の人並みに少々圧倒されながら、在来線のホームへと急いだ。ゴールデンウィークだっていうのに、この混みよう。平日になったらどれほどの地獄と化すか分かったもんじゃない。
改札口を通って、階段を駆け上がると少しばかり足が重くなる。上の看板をチラッと見上げると東海道新幹線乗り場の案内が見える。それを無視してすすむとつり下がる看板の数がどんどん増えていく。
「ヨシッ、ここまで来たら勝ち。」
常陸兄の声が聞こえたかと思うと常陸兄は思っていた方向には曲がらず、まっすぐ突き進む。
「えっ、そっち。8時12分に東京行ける列車があるよ。」
そう言ったが、
「横須賀線の列車に乗ったら東京駅での乗り換えが大変になる。アレには千葉行かない限り乗らないよ。」
と返してきた。東京に行けるんだから乗ったって良いじゃん。とは思ったけど、この中で一人取り残されるとマズいから常陸についていく。
ある場所でグイと間借り、階段を降りる。すると青いラインの入った電車がホームへと入ってきた。
「これで、東京行くぞ・・・。ヨシッ、「はつかり9号」にはこれでちゃんと間に合う。」
「ハァ、ハァ・・・。変な行程を組まないで欲しいと思われ。」
「これだけで疲れたの。陸上部が聞いて呆れるなぁ。」
「何であんたはそんなに元気なのよ。」
「俺は鉄道に事になったら100倍の体力になるんだぜ。」
「・・・それはただの思い込みと思われ。」
品川→京浜東北線→東京
東京駅で電車を降り、東北地方に行ける新幹線に乗り換える。向こうではまず見ることのない緑色の新幹線や赤色、薄いピンク色の新幹線がずらりと並んでいる。こっちの新幹線っていうのは向こうと比べてカラフルだな。
その中で緑色の新幹線と赤色の新幹線がつながった新幹線に常陸は私を誘導する。
「これ、これ。東北新幹線と言ったらこの多層立て列車が一番の見所だよな。」
「多層立てって・・・。どこからどう見ても2階がないと思われ。」
「分かってないなぁ・・・。多層立てっていうのは2階のことじゃなくて、2つの違う行き先の列車がつながっていることをいうのさ。前のE18系は秋田新幹線「こまち9号」の秋田行き。こっちのE15系は「はつかり9号」札幌行き。どっちも宇都宮~盛岡間で世界最速時速320キロで走るんだ。」
「・・・。」
分からない。
「8時36分になったら、乗れるけど、早く並ぼう。」
「常陸兄。私は今この時点で体力と思考が追いついていないんだけど・・・。」
東京8時40分→「はつかり9号」→盛岡10時55分




