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671列車 貨客線八甲田丸

 2062年4月30日・日曜日(第54日目)天候:晴れ 北海道旅客鉄道(ジェイアールほっかいどう)北海道新幹線(ほっかいどうしんかんせん)奥津軽(おくつがる)いまべつ駅。

 再び外が明るくなった。僕たちはそれに一瞬目を細める。何回か短いトンネルを抜けて、列車は駅を高速で通過する。「はつかり152号」は青函(せいかん)トンネルを抜け、本州へと入った。

 4月17日「はつかり97号」で新青森(しんあおもり)駅を発って以来久々の本州上陸である。

「戻ってきたね。」

「まだこの切符使うと思うと色々と凄いなぁ・・・。昔は本州に戻ってきたら変えるだけだったのに。」

「まぁ、そう言わずに。」

奥津軽(おくつがる)いまべつ駅を通過してから新青森(しんあおもり)駅まではすぐに着く。

最長往復切符復路新青森(しんあおもり)駅で途中下車

新青森(しんあおもり)11時35分→青森(あおもり)11時41分

新青森(しんあおもり)青森(あおもり)間の乗車券使用開始および終了

 新青森(しんあおもり)駅から青森(あおもり)駅へはE723系の普通列車に乗っていく。新青森(しんあおもり)駅は青森(あおもり)市内からは少し離れた位置にある。新幹線を直線的に敷設するには仕方のないことだが・・・。

 青森(あおもり)駅を降りて、僕たちはまた海の方へと歩く。駐輪場と広場が見えてくる。その不自然とも言える広さはこの辺りは昔線路がびっしりと敷かれていたことを意味するものでもある。

 その広場の先に少し線路が残っている。そしてその先には船が停泊しているのだ。こちらも青函連絡船(せいかんれんらくせん)として使われていた実物、八甲田丸(はっこうだまる)である。函館(はこだて)においてある摩周丸(ましゅうまる)同様青函連絡船(せいかんれんらくせん)として使われていた時の内装を再現しているのは変わらない。そのため、今回は八甲田丸(はっこうだまる)特有の展示に急ぐことにする。

「車両甲板。」

そこに階段を使って降りてみる。

「わっ。」

思わず声が出た。そこには鉄道車両が収容されているのだ。車両甲板だから当然と言えば当然なんだが・・・。

「昔はこんな風にして車両を運んで多のね。」

展示してある車両はキハ80系82形特急型気動車と機関車と貨車と客車のようだ。

「見てみて。ナガシィ。ほら。」

そう言うと(もえ)が車両とある場所を指さした。そこには甲板からフックが出ている。そのフックの先は車両に引っかけてあるのだ。

「波の揺れがあるからな。それで車両を固定してるんだね。」

「これって昔の客車や貨車には付いてたのかな。」

「付いてたんじゃないの。日本全国どこ行くか分かんない貨車とかは特にね。」

出も、運用で日本全国何処に行くか分かんないっていうことは無いんだろうけどなぁ・・・。

「これ面白い・・・。下には線路があるし。」

「確かにな。」

「ナガシィ反応薄い。もうちょっと喜べば。」

「喜んでるよ。」

 船内をまわってから、

「ふぅ。楽しかった。遅めのお昼でも食べる。」

「ああ、そうしようか。」

「どうする。給食の罰ゲームみたいなラーメンにでもしちゃう。」

「ああ。カレーとバターとなんだっけ。結構色々入ってる奴有ったよね。」

「それ食べ行こう。」

「行くのはいいけど、入らないでしょ。」

「二人でつつけば良いって。ほら、行こう。」

今日の旅は青森(あおもり)で終わりだ。


一口メモ

北海道旅客鉄道(ジェイアールほっかいどう)津軽丸(つがるまる)型車載客船第2船八甲田丸(はっこうだまる)

青函航路(せいかんこうろ)で実際に動いていた車載客船。現在は往年の姿を再現し、青森(あおもり)に展示・保存されている。函館(はこだて)摩周丸(ましゅうまる)とは違い車両甲板には実際に車両が積載された状態となっており、どのように車両を積載していたのか分かる貴重なものとなっている。


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