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669列車 五稜郭

 2062年4月29日・土曜日(第53日目)天候:晴れ風強し 函館市企業局交通部(はこだてしきぎょうきょくこうつうぶ)本線(ほんせん)函館駅前(はこだてえきまえ)電停。

 摩周丸(ましゅうまる)から今度は函館(はこだて)山の方へと歩いて行く。そうすると赤煉瓦でできた建物がたくさん並んでいる場所にたどり着く。こちらは函館(はこだて)赤レンガ倉庫で有名な場所だ。辺りには多くの観光客が出ている。皆思い思いに写真に撮ったりしながら、赤レンガ倉庫群を歩き回っている。

「昔はどんなの入れてたのかな。」

と言う。

「さぁ・・・。弾薬とかかな。」

僕は適当に答えた。

 今この赤レンガ倉庫は開発され、たくさんのお店が入っている。ショップからレストランまで入っている。古めかしい倉庫はもはや外観ぐらいしかないと行っていいほど様変わりしているのだ。

「あっ、ナガシィ。クレープ有るよ。食べる。」

(もえ)が言ってきた。

「食べる。」

僕は即答する。

「何個食べる。1つで良い。」

「2つだよ。」

「はいはい。ホント生クリームを使った食べ物には目がないわね。」

(もえ)はそう言うとクレープを買っても取ってきてくれる。自分の分も含めて3つだからちょっと持ちづらそうだったから、僕が食べるのを2つ貰った。

「うーん。美味しそう。いただきます。」

「はいはい。いただいてください。」

「うーん。美味しい・・・。」

「ナガシィって本当にクレープ好きよねぇ・・・。」

「もちろん。2つだけじゃ足りないかも・・・。」

ぱくぱく。いつの間にかクレープ1つなくなった。2つめのクレープもあっという間にお腹の中に取り込んだ。

「ハァ・・・。本当に足りないなぁ・・・。もう一つ・・・。」

「ダメ。」

「えーっ。」

「えーっ、じゃない。少しは自分の体調って言うのを気にしなさい。こういう歳になると血糖値とか色々気になるでしょ。」

「僕は別に気にしないんだけどなぁ・・・。」

「ナガシィが気にしなくても、私が気にするの。」

そう言うと、(もえ)は少し声のトーンを落として、

「曲がりなりにも私の旦那さんなんだから。私が生きている限りは私よりも早死にするなんて許さないわよ。」


「あっ、ありがとう。」

「・・・。」

十字街(じゅうじがい)函館市企業局交通部(はこだてしきぎょうきょくこうつうぶ)五稜郭公園前(ごりょうかくこうえんまえ)

 レンガ倉庫から歩いて十字街(じゅうじがい)に行き、それから市電に乗って五稜郭公園前(ごりょうかくこうえんまえ)で降りる。五稜郭(ごりょうかく)では五稜郭(ごりょうかく)タワーに登って星形の西洋風のお城を上から眺めた。

「桜のピンク色が綺麗よねぇ。」

「北海道にもようやっと春が訪れたんだな。」

「あの下にたくさん人がいるけど、どうする。これだけにしちゃう。」

「・・・。」

ふと思い当たることがあった。

「四稜郭にでも行ってみる。」

と言った。

 函館(はこだて)五稜郭(ごりょうかく)が有名で四稜郭なんてただのネタだろと思った人もいるだろう。僕も播州(ばんしゅう)さんの動画で聞いた時さすがにそれは何かのネタだと思った。だが、実際に四稜郭というのは函館(はこだて)に存在しているし、五稜郭(ごりょうかく)同様西洋式のお城である。

「私も人ごみはあんまりなぁ・・・。四稜郭行ってみよう。」

「ヨシッ。どう行く。」

「タクシーかな。ていうか、四稜郭ってどこにあるの。」

函館(はこだて)での1日はあっという間に過ぎていった。


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