539列車 まもなく東京
2062年3月1日・水曜日(第-6日目)天候:晴れ 東日本旅客鉄道東北新幹線大宮駅。
守山→京都の乗車券(連1)使用終了
京都→若狭小浜の乗車券(連2)使用開始および終了
若狭小浜→嬉野温泉の乗車券使用開始
「本日も北陸新幹線をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は「かがやき号」東京行きです。次は上野に止まります。」
とのアナウンスが流れた。「かがやき608号」に乗っている間に「守山→京都」の乗車券と「京都→若狭小浜」の乗車券はその役目を終え、今は「若狭小浜→嬉野温泉」の乗車券が発効となっている。
自動放送が終了してから、グランクラスの客室にアテンダントが入ってきた。
「失礼いたします。皆様長らくのご乗車大変お疲れ様でした。当列車はあと20分ほどで終点東京に到着いたします。皆様「グランクラス」の旅はいかがでしたでしょうか。皆様にとって良い思い出となっていましたら、従業員一同大変嬉しく思います。それではこの先もどうかお気を付けて、ご旅行をお楽しみください。ありがとうございました。」
頭を下げるとどこからともなく拍手が起こった。
地下トンネルに入ると上野が近づいてきた証明である。そのうえのをでてしまえばすぐに東京である。12時20分。東京駅に到着した。
「着いた。」
「うん・・・。北陸新幹線で来てみたけど、北陸新幹線も速いねぇ。」
「まぁ、上越新幹線の最高速度が275キロに向上したからな。と言っても3分ぐらいしか変わってないけど・・・。」
「・・・どうする。いい時間だしお昼にする。」
萌はそう言ったけど、今の時間どこ行っても混んでるだろうなぁ・・・。そう思うとどこに入ればいいのだろう。
結果、お昼も蕎麦だった・・・。
「東京の蕎麦ってさぁ、つゆ黒いって言うけどさ、つゆ黒いって感じるのは見慣れないからなのかなって思うのよ。」
萌が言う。
「ああ。それはそうかも・・・。別にマズいわけじゃないんだけど、何か関西の人って忌避してる感じがするって言うか・・・ね。」
お昼が済んでもまだ13時を過ぎたぐらいである。
「どうするナガシィ。今日は新宿に行けばそれでいいんだけど。」
「新宿行くだけじゃ能がないよね・・・。」
少し考える。ホテルに入るにしてもまだホテルには入れないし・・・。あっ、
「スカイツリーとか行ってみない。」
それはすぐに決定した。
若狭小浜→嬉野温泉の乗車券東京駅で途中下車
大手町→「東京メトロ半蔵門線」→押上
押上の外に出ると634メートルの白い塔がそびえていた。東京スカイツリー。本物はよく見ていたが、間近で本物を拝むのは初めてだ。
1500円の入場料を払う。少しの待ち時間の後エレベーターで地上350メートルにある展望台へと上がった。
天候の恵まれ、東京の街を遠くまでのぞむことが出来る。
「おお。」
「た・・・高いなぁ。この位置でも東京タワーより高いんでしょ。」
「350メートルだからね。東京タワーよりも20メーターくらい高いのね。」
「・・・萌、帰ろう。」
「えっ。来ばっかだよ。・・・あっ、もしかしてナガシィ怖いの。」
「別に。ちょっとね・・・。」
「ナガシィって高所恐怖症だっけ。」
「こういうレベルの違うのはね・・・。」
「ナガシィ、もしかして飛行機にあんまり乗りたくない理由もそれ。」
「・・・ああ、いや別に。」
「私にぐらい知られたっていいじゃん。恥ずかしくないでしょ、それぐらい。」
「・・・。」
東京スカイツリーからのぞめる360度のパノラマを見てから半蔵門線で大手町まで戻り、東京駅から中央線に乗って新宿まで向かう。
押上→東京メトロ半蔵門線→大手町
大手町→徒歩→東京
東京→「快速」→新宿
若狭小浜→嬉野温泉の乗車券新宿駅で途中下車
ホテルの部屋に入ると、
「今日も一日お疲れ様でした。」
僕らはそう言い合った。
「今日もって・・・。まだ始まったばっかりだね。」
「そうだね・・・。これから何日も旅行するんだしね・・・。これからよろしくね。萌。」
「はいはい。分かってますよ。」
「明日は「あずさ」からスタートだね。」
「そうね。早いし、早めに寝ましょう。」




