658列車 ちゃんと調べてからにしてPart2
2062年4月24日・月曜日(第48日目)天候:晴れ風強し 北海道高速開発鉄道北海道高速開発鉄道線稚内駅。
「おはようございます。」
僕たちは目が覚めるとそう声を掛け合った。いつもならあんまり挨拶とかはしないんだけどなぁ・・・。
今いる場所は日本最北端の街稚内。最長往復切符を3月8日から使用開始して今日で48日目。九州から本州を渡って北海道に入り、最長往復切符は折り返し地点に到達した。有効日数は残り62日。この日数を使って今度は九州へと戻るが、今日は最長往復切符を使わない。
「さて、今日はどうする。」
「どうしようかな。」
今日はフリーだからなぁ。特に何も考えていないんだよなぁ。
少し考えて、僕は水族館が近くにあることを思い出した。そこに行くことにしよう。
9時35分のバスに乗って10分くらいするとノシャップに着く。
「・・・。」
「ナガシィ・・・。」
「休館日とは知らなかったんだよなぁ・・・。」
「だから、そう言うのは調べてからにして。」
「ごめん。」
「あーあ。せっかくアザラシが見れると思ったのに・・・。どっかの誰かのせいでみられなくなっちゃったじゃない・・・。」
「ハハハ・・・。これは悪かった・・・。」
少し歩いてノシャップ岬に行ってみる。ノシャップ岬は宗谷岬と同じように稚内市にある岬だ。日本最北端の地は宗谷岬。こちらの岬には日本最北端の灯台があるという。そして、この岬を境に日本海と宗谷湾が分かれている。
灯台も見えるし、遠くに利尻富士も見える。
「綺麗だけど・・・。風強い・・・。」
「結構寒いなぁ・・・。」
「寒すぎ・・・。」
「本当なら水族館の中でアザラシでもみたんだけどなぁ・・・。」
「それは全部ナガシィのせいでしょ。」
「ハハハ。」
10時30分頃にやってくるバスに乗って稚内駅に戻る。
稚内駅から抜海駅に行ってみようかとも考えた。しかし、普通列車は10時27分に行ってしまっていた。ほんの十数分前のことだった。しかも、次の普通列車は18時04分までない。今から何時間後の話なのだろう・・・。
「・・・ナガシィ。」
「ハハハ・・・。」
「笑ってごまかさないで。これどうしてくれるのかなぁ。」
「レンタカーでも使って抜海港に行ってみる。それともタクシー、ヒッチハイク。」
「いや、ヒッチハイクはないでしょ。しかも二人も乗せてくれる人なんていないわよ。」
「・・・。」
「それにレンタカーって当日準備出来るかなぁ。私はそうは思えないんだけど。」
「今回は完全に失敗したなぁ・・・。」
本当にどうしようかなぁ・・・。
「アザラシは見てみたいしなぁ・・・。」
「今日は僕が全部持つから。機嫌直して。」
「別に全部持って貰いたいってわけじゃないわよ。」
「・・・。」
「明日行く予定だったけどさぁ、今日宗谷岬に行かない。」
「あっ、バス何時なのかな。」
13時20分までなかった・・・。




