639列車 乗っての楽しいの始祖
2062年4月16日・日曜日(第40日目)天候:晴れ 東日本旅客鉄道奥羽本線秋田駅。
秋田駅からは奥羽本線の列車に乗る。僕たちは弘前駅に行くが、8時37分発の快速「つがる」青森行きでは弘前には奥羽本線では行かない。僕たちが持っている指定席券には「リゾートしらかみ」との表記がある。秋田を8時20分に出発して、僕たちが降りる弘前に到着するのは12時49分。乗車時間は実に4時間29分だ。
なお、先程の8時37分の「つがる」では弘前へは1時間57分で到着する。
秋田駅のホームにはGV-E310系が止まっている。少し前に乗った「リゾートもみじ」と同じように大きな窓を持った車両がいる。この車両に向けて鉄道ファンはカメラを向けている。僕たちもスマホを向けた。
「先代のHB-E300系と似てるよね。」
「似てるよねぇ。」
秋田8時20分→「快速リゾートしらかみ1号」→弘前12時49分
GV-E310系は少しだけ身震いして、秋田駅を出発した。
「リゾートしらかみ」は奥羽本線を北へと進んでいく。進行方向の左側の遠くに山も見える。その山の案内が車掌からある。奥羽本線を軽快に進むのは臨時列車らしくない。
9時12分に東能代駅に到着。「リゾートしらかみ」はここから進行方向が逆転する。7分間時間があるほか、「リゾートしらかみ」をもした待合室があると言うため、僕たちはそれらを写真に収めた。その待合室の中には昔使われていたディーゼルカーの運転台もおかれている。昔は日本全国でこういう運転台を載っけた車両がたむろしていたと考えるとなぁ・・・。
進行方向が逆転し、僕たちも座席を進行方向の向きに直す。次の停車駅は能代駅だ。能代駅はバスケットボールの強豪校能代工業がある。ホームにはバスケットゴールと能代工業の優勝回数が表示されている。優勝は71回。何回大会で71回優勝しているのかどうかは知らないが、すごいというのはよく分かる。
10分くらいの停車時間の間にバスケットゴールを使ったシュート体験というものがホームで開催されている。僕たちもシュートをしてみるが、なかなかゴールには入らない。ゴールポストにある黒い四角に当てるようにするとゴールに入るというのは聞いたことあるけど、ゴールの正面からシュートを放つんじゃそれは無理だな・・・。
能代駅を出発すると「リゾートしらかみ」は五能線の本丸へと入っていく。五能線は日本海の海岸線を走っていく。この景色のよさを活かして走り出したのがこの「リゾートしらかみ」だ。
岩館駅を出ると秋田県から青森県に入る。
「皆様まもなく、五能線で最も景色がよいといわれます・・・。」
との案内が流れる。するとみるみる「リゾートしらかみ」の速度が落ちる。GPSのスピードメーターアプリを見ていると西日本旅客鉄道の必殺徐行も思わせるようなスピードを表示し始める。
「これは本当に景色が良いなぁ。」
近くにはゴツゴツした岩場が広がり、遠くには見渡す限りの日本海だ。海岸線で荒々しい日本海の波が砕け散る・・・と言いたいところだが、今日は至って穏やかだ。
「五能線って国鉄の時は本当のただのローカル線だったわけでしょう。これでただのローカル線っていうのはもったいないよねぇ。」
「ああ。」
一口メモ
「リゾートしらかみ」
秋田~青森間を五能線経由で運行する「乗って楽しい列車」の一つ。東日本旅客鉄道の「乗って楽しい列車」の先陣を切って設定された列車で、列車運行中は千畳敷の探訪、バスケのシュート体験、語り部回、津軽三味線の生演奏などなど数々のイベントが開催される。夏季は毎日、冬季は土休日を中心に運行する。




