表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/254

635列車 ほっとゆだ

 2062年4月14日・金曜日(第38日目)天候:晴れ 東日本旅客鉄道(ジェイアールひがしにほん)北上線(きたかみせん)北上(きたかみ)駅。

 自分たちの頭の上から轟音が響く。東京(とうきょう)盛岡(もりおか)方面に向かっていく東北新幹線(とうほくしんかんせん)が通過していったのか・・・。あれだけの狂気のスピードで通過していると考えるとなぁ・・・。320キロって言うのはどこか300キロと違うらしい。

 ここから乗る路線は北上線(きたかみせん)という。この路線で横手(よこて)へ抜けていく。次の列車は13時40分発の「快速」列車。だが、時刻表を確認すると途中の黒沢(くろさわ)駅まで各駅に停まる。快速と言っても駅を通過するのは横手(よこて)にかなり近づいてからだ。

北上(きたかみ)13時40分→「快速」→ほっとゆだ14時23分

 ほっとゆだ駅に到着する手前でゆだ錦秋湖という駅に停まる。近くには湯田ダムのダム湖、錦秋湖がある。北上線(きたかみせん)はその脇を通り抜けていく。ダム湖の反対側は茶色の山肌が広がる。この辺りの春もまだ来ないらしい。

最長往復切符往路ほっとゆだ駅で途中下車

 僕たちはほっとゆだ駅で降りた。反対側には横手(よこて)駅からやってきた快速列車が止まっている。先に僕たちが乗っていた列車がほっとゆだ駅を発ち、北上(きたかみ)行きの快速が発車していった。次の列車は3時間後の横手(よこて)行きか・・・。

「さて、次の列車まで3時間あるね。」

「まぁ、3時間ここから動けないんだから。ゆっくりお風呂にでも入って疲れでも取ろう。」

「ああ。」

「・・・混浴じゃないから残念なのかな。」

「はっ。」

「ナガシィだって男でしょ。混浴なのが一番良いんじゃない。」

「あのなぁ・・・。そりゃ否定はしないけどこういう所でそう言うのがあるわけないだろ。」

僕はそう言った。

 駅舎の中に入り、右を見ると温泉マークがある。ここには駅舎に併設された温泉ではなく、駅舎が温泉に併設しているのだ。ここで3時間時間をつぶそうと考えたのだ。今日は思いっきり長湯ができる。

「じゃあ、ナガシィ。お互いスッキリした後でね。」

(もえ)はそう言い女湯の方に入っていった。僕も男湯に入るか・・・。

 スーツを脱ぎ、湯船の方へ赴くとまず目に入るのは信号機だ。

「おお。本当にあるんだ・・・。」

この信号機が何故取り付けられているのかというと、これはほっとゆだ駅に近づいてくる列車のことを示しているという。青はまだまだ列車は遠い駅にいて、黄色、赤となるとまもなく列車がやってくるという合図になっているという。しかも、この信号北田の作り物ではなくて、実際に東日本旅客鉄道(ジェイアールひがしにほん)が使用していた本物だという。すごいものを設置しているものだと感心する。

「・・・えーっと・・・体洗おう。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ