630列車 松島
2062年4月12日・水曜日(第36日目)天候:晴れ 東日本旅客鉄道仙石線仙台駅。
1日、仙台近辺で過ごして、今日は荷物を持って、ホテルを出た。これから乗る路線は仙石線だ。仙石線は仙台駅の地下から出発する路線である。
電光掲示板を見ると9時00分発の小牛田行き、9時05分発の利府行きと連続している中、仙石東北ライン9時24分発の石巻行きが表示されている。仙石線でなくとも、石巻に行くことができる列車があるが、アレに乗るわけにはいかない。
最長往復切符は仙台から仙石線経由で石巻に行く。一方、仙石東北ラインは東北本線を経由して、仙石線の途中駅塩釜駅から仙石線に入る。経由地が違うため、仙石東北ラインを走る快速列車には乗れない。
「東北地方で直流って言うのは仙石線ぐらいしかないよね。」
萌が言う。
「ああ、そうだな・・・。直流だから、これがやってくるのか。」
トンネルの向こうから白いライトを付けて、東京近辺で見慣れたE233系が入線する。近く間を走ると言うこともあってカカオは常磐緩行線にいた2000番台と同じか。ヘッドライトがLEDになっている以外そっくりだ。
仙台8時55分→松島海岸9時36分
「次は榴ヶ岡、榴ヶ岡。The next station is 榴ヶ岡。」
自動放送の英語読みが日本語読みなのも相変わらずか・・・。
トンネルをでて海岸線に出て行く。海の反対側をみてみるとE723系が走って行く姿を遠くに見ることができた。東北本線と仙石線はかなり近いところを走っている場所がある。海の方は日本三景松島の片鱗をみせてくる。
最長往復切符往路松島海岸駅で途中下車
僕たちは松島海岸駅で列車を降りた。ここで降りたのはいうまでも無い。日本三景松島に行くためだ。
「宮島には行ったわけよねぇ。」
「宮島は宮島でよかったなぁ・・・。今思えば牡蠣でも食べておけばよかったかな。」
「そんなに牡蠣食べたかったなら食べればよかったじゃん。」
「その後お好み焼きで牡蠣食べたからそれはノーカンかな・・・。」
「1400円は結構高かったわよ。」
「全部亜美ちゃんが補填してくれるのが嬉しいねぇ・・・。」
「人のお金だと思って・・・。」
松島にたどり着くと、確かに良い景色らしい。島には松の木が生え、それらは海からちょこっと顔を覗かせている。こういうのが日本人的な美の趣向と合うのであろう。
「・・・和ねぇ・・・。」
「そうだな。」
「あの端でも渡って、松島をみてみる。」
「良いねぇ。そうしよう。」
僕たちはそう決めた。
そういえば、松島にはへそ曲がりの松の木って言うのが映えていたなぁ・・・。どのぐらいのへそ曲がり具合かみてみるのも良いかもしれない。
一口メモ
東日本旅客鉄道E233系500番台
仙石線に転属したグループ。もともと中央線の0番台4両編成をそのまま転属させたため、耐寒耐雪装備の強化が行われただけである。地方へ転属したE233系の中で最も原形を留めたグループとなっている。




