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4.国王陛下は断じて幼女趣味ではない

 オスカー王国の商会を取りまとめる理事会の長である、ジェイド=エイル。青のロングコートの下には、フリルのたくさん付いたシャツを着ているが、その気品が、ものの見事にそれが似合っていた。

 ジェイド殿が、メガネをくいっとあげる。


「陛下も隅にはおけませんなぁ。私の姪っ子との見合いに興味を示さなかったのは、ご趣味が合わなかったから、ということですか。そうとおっしゃっていただければ、きちんとご趣味に合う子を準備しましたのに」


 ロクロウが準備した見合い相手の一人には、確かに彼女の姪もいた。彼自身、結婚はしているものの、実子がいないからだろう。王族と婚姻を結ぶべく用意したのが、その姪だった。気立てもよく、美しいボクより年下の少女だったが、叔父ゆずりの口の達者加減が際立っていたことは記憶に新しい。


「それは、ボクが幼女趣味だと言いたいのならば、即座に否定させていただこう。彼女はある所から預かっている客人にすぎない。それはそうとジェイド殿。謁見の時間まではまだ時間があったかと思うが?」


「いやはや、陛下にお会いするのが待ち遠しくて、つい早く着いてしまいました。時間を潰すべく、お暇していた使用人さんたちと立ち話に興じていたら、陛下のお声が聴こえてきたので、つい足が赴いてしまったのですよ」


 流暢なことを言いながらも、要は、使用人相手に色々と調査をしていたということらしい。商人らしいこの上っ面を撫でるような話し方をする輩は、個人的には好かない。だが、こうした会話にも騙されないようにこなすのも、国王たる素養の一つであることは重々承知だ。


 だから、ボクは怪訝を顔に出すこともなく、切り返す。


「使用人たちを楽しませてくれたことは感謝する。彼らも普段接することのない相手との会話はいい息抜きになったであろう」


「おや、仕事をサボっていたとお怒りにはならないのですか?」


「客人をもてなすことも仕事の一部だ。自身の果たすべき役割をこなしてくれさえいれば、それ以外のことをしようが、誰も嫌な思いをしない限りは、咎める必要もなかろう」


「さすがは陛下! その器の大きさは先代にも勝るとも劣らない立派なものでございますなぁ!」


 手を叩いて賛辞するジェイド殿の笑顔には、温度がない。褒められたところで何も嬉しくはないが、邪険にできるわけもなく、ボクは立ち上がる。


「では、約束の時間にはまだ早いが、さっそく要件を訊こうではないか。場所を変えて――」


 だけど、ボクは立ち上がることができなかった。カグヤ殿がボクのマントから手を離さなかったのだ。


「おーさま、カグヤをおいてどこか行っちゃうの?」


 その上目遣いが、まるで小動物のように求心的にボクを見つめていた。

 その光景を見て、ジェイド殿は笑う。


「ははは、随分と懐かれているようですなぁ。先程、ある所から預かっている少女ということでしたが、どこからの客人ですかな?」


「それは……」


「異世界でございます」


 ボクの代わりに答えたのは、ロクロウだった。なぜ答えたのかとボクはロクロウを睨み付けるものの、彼はまるで堪えた素振りもなく、飄々と言ってのけた。


「アンドレ様。ご存知は承知で申し上げますが、ジェイド様はこの国の商会の長でございます。ゆえに、この国の重鎮の一人と言っても過言ではございません。今後、他国と交渉していくにあたっての重要人物になるお方ゆえ、彼女のことも協力していただくに越したことはないかと存じます」


「ほう……ロクロウ殿がそれほどおっしゃるということは、異世界というのも本当だということですかな。その研究が進んでいるという話でしたが、すでに実現レベルでしたか」


 そう言うと、ジェイドは部屋の中に入っては、ボクのマントの裾を掴んでいたカグヤ殿のそばにしゃがむ。


「お嬢さん、お名前を聞いてもよろしいですか?」


「……カグヤ」


 先程とうってかわって、カグヤが一言そう答えると、ボクの足にしがみついてしまった。ボクとしては鬱陶しいに他ならないが、ジェイド殿はその様子を見て「可愛いらしいですねぇ」と笑う。その瞳は、愛でるというよりも厭らしい色をしていた。


「では、カグヤちゃん。あなたの世界のことを教えてはいただけませんか?」


「……地球のこと?」


「ほう。『チキュー』という世界からやって来たのですか。どんな世界……と一から聞いていたら、陽が暮れてしまいますね。とりあえず、この世界と大きく違う点は、なにがありますか?」


 なるほど、それは上手い訊き方だ。何から聞いてよいのか埒もあかなかったボクとの違いは、やはり年の功なのだろうか。このジェイドという商人、若く見えるものの、確か年齢はボクより一回りは上だったはずである。


 そのジェイドに対して、カグヤ殿はおずおずと答えた。


「まず……お空の色がちがう。地球は青い。ここはキラキラ」


 彼女が横目で見るのは、窓の外。空には今日も彼女の言う通り綺麗な黄金の空が広がっている。この世界では当たり前のことであるが、空には魔力の元であるマナが広がっており、人間はそのマナを用いて魔法を使う。彼女のいうキラキラがマナの粒子なのだ。それがないということは、彼女の住む世界には――と、考えることは皆一緒なのだろう。ジェイドが間入れず感嘆する素振りを示した。


「空の色から違いますか! つまりは、お嬢さんの世界では魔法がないということですかな?」


「まほー? それって、手から火が出たりするようなやつのこと?」


「まぁ、簡単にいえばそんな感じですね。夜に光を灯したり、料理をするときに火を点けたり。魔法は攻撃に使うよりも生活に使うほうが今の時代は大きいですが……お嬢さんの世界より、この世界は発達している感じはしますか?」


 それに、カグヤ殿は首を横に傾けた。それにつられて、頭の上の耳がしなる。


「まほーはないけど、地球には機械があるよ? これとか」


 そう言ってポケットから取り出したのは、あの四角い道具。おそらく地球という世界にいるのであろう、彼女の母親と話したものである。


「これ、スマホっていうの。電話……遠くの人とお話する機械でね、他にもお写真とったり、調べものしたりもできる」


「それは凄い! ちょっと貸してもらえますかな?」


 そう言って手を伸ばすジェイド殿に対して、


「いやっ!」


 拒絶して、ますます強くボクの足にしがみついた。フーフーと荒い息遣いをしながら、長い耳を震えるほどピンと伸ばしている。


「スマホ、ママやパパと連絡するひとつだけの方法! 『はだみはなさず持ってなさい』て、ママ言ってたもん!」


「そうですか……それは残念ですねぇ……」


 そう言って、ジェイド殿は手を引っ込める。即座に彼は顔を上げて、ボクに愛想笑いを向けてきた。


「アンドレ様。先程、外でお待ちしている際に聴こえてしまったのですが、なにやら彼女の預け先を思案しているのだとか?」


「……もしや、彼女を養子として引き取りたいと言うつもりか?」


 ボクが先読みして言うと、ジェイド殿は「はい」と満面の笑みで答える。


「どうでしょう? エイル家にはご存知の通り、子供もおりませんし、妻も残念ながら妊娠する気配もございません。ちょうど夫婦で、どこからか養子を、という話も出ていたのでございます」


「ふむ……まぁ確かに、エイル家だったら財政面や教育面での心配はないが……」


「もちろん、最前線の教育を施すことをお約束いたしましょう。妻は貴族出身ですから、マナーや作法の教育も怠ることはございませんし、魔法に関しても、専属の講師を用意しまして、年相応の技術もあっという間に身に着けさせます。見たところ、魔法の素養は充分あるようですから……」


 そう言って、ジェイド殿はカグヤ殿の頭を撫でる。だが、彼女は全身を横に振ってそれを払うと、威嚇するように「シャーッ」と、歯を見せていた。


 魔法の素養は、見た目に現れるというのは有名な話だ。髪が黒い者ほど、体内に保有しておけるマナの量が多いのだという。空にしかり、大気にしかりマナは含まれているのだが、体内のマナ含有量が多ければ、マナに誘導されて生じる現象である魔法も扱いやすく、また大きなものとなる。そして、マナは体内に入ると血液と反応して黒くなるというのだ。髪や瞳の色はその色が透過された結果なのだという。


 なので、残念ながら金髪であるこのアンドレ=オスカー四世は、魔法はあまり得意ではない。もちろん、生活に支障が出るレベルではないが、それで戦場の最前線で戦うのは、あまりにも無謀である。もちろん、護身として剣術は最低限修めているが、あくまでそれで、国王としては何も問題がない。戦場に出て戦う王は時として、父上のように英雄として崇められやすいものの、その主な仕事は治世である。世を治めるに必要なことは、武力だけではないはずだ。これもまた、幼き頃に父上から学んだ尊きことなのだ。


 ともあれ、たとえ魔法が発展していない世界からやってきたとはいえ、真っ黒な髪が美しいカグヤ殿なら、すぐに魔法技術を身に着けるであろうことは、ボクも予想通り。何も心配はしてない。


 だけど、当の本人は、まるで動物であるかのようにジェイド殿に威嚇を続けていた。

 その時だ。

 突如、窓ガラスが音を立てて割れ、一矢がボクを目掛けて飛んでくる。いきなりのことに目を見開いていると、


「おーさまっ!」


 まるで、ボクを守るようにカグヤ殿が両手を広げていた。それでも、ボクの胸にまで身長が届かない彼女が、どんなに身体を大きく広げても、ボクを守れるわけがない。


「あぶな――」


 それよりも、かえって危ないだけ。そう判断して、ボクが彼女を抱えて床に丸くなったのと同時に、矢は何かに叩かれ、床に落ちる。


「ご無事ですか、アンドレ様っ!」


 そう威勢よくボクらの前に立つのは、メイドのレイチェル。その手には何本ものティーナイフを持って、鋭い目で周囲を見渡していた。

 そんなレイチェルが、割れた窓の外を覗く。そして、安堵の息を吐く。


「ご安心ください。とりあえず、刺客は去ったようです」


「ふむ、ご苦労」


 労いの言葉を贈り、ボクが立ち上がろうとする。

 メイドとは、給仕をするだけではない。主の身の回りの世話をするものだ。なので、主の危機を防ぐことも仕事の一貫と取り決めたのは、ひいひいお婆様の専属メイドだったらしい。小柄ながらもオスカー王国創生以来最強とうたわれるメイド伝説は、今でも寓話として世間に親しまれている。


「いつも助かるよ、レイチェル」


「礼には及びません。これも仕事の一部だと思っているので。むしろ、こういう機会が多い方が、わたくしとしては胸が躍るのですが」


「……異動願いを出すなら、前向きに検討をするが?」


「結構でございます。メイドの衣装、気に入っていますの」


 ボリュームのあるスカートの裾を掴んで、華麗に回る彼女が嬉しそうに微笑んでいる。ふわっと広がったスカートの中が見えないのもまた、彼女の身体能力の高さにおける絶妙なのだろう。


「それは良かった」


 メイドの衣装は、ボクが王位に就いてから新調したものだった。軍事にばかりに力を入れていた先王は、使用人たちの服装に一切興味がなかったらしい。王位に就いてから、使用人たちの要望を調査した結果、制服がダサくてやる気が出ないといった女性たちの意見が案外多く、巷で人気というデザイナーに依頼をしたことが、ボクの国王としての初めての仕事だった。


 そんなことを思い出しながら、立ち上がろうとした時である。


「おーさまのえっち……」


 ボクの下にいる幼女が、涙ぐみながらそんなことを言う。


 ボクの影になって薄暗いが、その顔は真っ赤に染まっているようだった。そんな彼女が、ボクの手を両手でキュッと掴む。その右手は、彼女の胸の上に置かれているのだが、


「おや、すまない! 痛かったか!?」


 ボクが慌てて手を離すと、彼女も起き上がりながら自分の胸を両手で押さえた。


「痛くない。でも、カグヤのおむね、まだ触らないで……出会ったばかりで、いきなりそういう展開に付いていけるほど、カグヤはまだ大人じゃないの……」


「なななななな……」


 彼女の頭の上の黒い耳が、戸惑うように左右にフニフニ動いていた。


 だが、戸惑うのはボクのほうだ! ボクの右手は確かに彼女の胸の上に置かれていたものの、温かさは感じても、女性特有の柔らかさの感触はまるで手に残っていない。ボクの背後ではロクロウが感心するかのようにひげを撫でているし、レイチェルが再びクスクス笑っているものの、ボクはしっかり否定させていただこう! そういうつもりは欠片もないッ! ただボクは、人命救助のために押し倒したにすぎないのだッ!


 そう力説したいものの、こういう時に限って、ボクの口は上手く動いてはくれない。から回る舌を何とか制御して、ボクが言葉を紡ごうとした時だ。


「アンドレ様。お困りのようでしたら、やはり彼女を私に預けてはいかがでしょう?」


 ボクの頭を上から覗き込むように、ジェイド殿が言う。彼はいつの間に拾ったのか、レイチェルが振り払った折れた矢を持っていた。


「この矢じりには、毒が塗られているようです。もしもアンドレ様にかすったでもしたなら、一大事となったでしょう。このようなことは、よくおありなのですか?」


 ボクは唇を引きながらも、首を縦に振る。先代からの恨みなのか、王位を狙う者なのか、はたまた国王であるがゆえの天命なのか、命を狙われるということは、もはや日常茶飯事となっている。。


 だけど、それはいつの時代も変わらないだろう。初代オスカー王国国王は、優秀な近衛兵や持前の能力に恵まれ、無事に天寿を全うしたようだが、二世は他国侵略の魔の手にかかり、齢三十歳にして天に召されてしまった。まだ、父上が子供の時だったようだ。ロクロウが早急の見合いを勧めるのも、このあたりの事情があるのだろう。世継ぎが早くできなければ、オスカー家が途絶えてしまうのだから。


 商家とはいえ、そのことは重々承知のはずであろう。ジェイド殿はわざわざボクの返事を待ってから、「では、なおさら」と言葉を続ける。


「カグヤ様は、私が面倒を看る、というのは。仕事柄、警備にはそういうの人材を使っております。いざという時の対処も、決して城に引けを取るつもりはございませんし、治療が必要な際には、誰よりも早く特効薬を手に入れることが可能でございます」


 次々と、ジェイド殿は彼女を養子に迎えるメリットを話す。

 だけど、ボクはそれを話し半分に聞いていた。商売をしている以上、人から恨まれるということも、もちろんあるだろう。それを理解していないボクではない。


 代わりに、ボクはジェイド殿の目をじっと見ていた。その瞳は決して揺らいではいない。本当のことを言っているからか、はたまた、そういうことを話すことに慣れすぎているからか。彼はボクをまっすぐに見て、真摯に話していた。


 だから、ボクは決断する。


「いや、カグヤ殿はボクが責任をもって預かることにしよう」


 その言葉に、ようやくジェイドは狼狽えた表情を見せた。


「あ、アンドレ様。急にどうしたのですか? やっぱり、幼女を手元に置いて愛でる趣味が――」


「笑えない冗談は言わないでくれたまえ。理由はただ一つだ。そなたは先程からボクの伺いは立てても、カグヤ殿の様子はまるで見ていない。ボクは、彼女の親代わりを探しているのだ。もしも、そなたが彼女の親になるのだとしたら、そなたはボクの機嫌を取るよりもまず、彼女に好かれるよう努力をしなければならないはずだ。ボクに媚びを売って、どうせ税関を下げるようになどと頼むのが目的だろうが、ボクは損得なしに彼女を預かってくれ、自分の利権よりも彼女の幸せのために尽くしてくれる者に預けたいと考えていた。が、それは間違っていたようだ」


 話ながら横目でカグヤ殿を見ると、彼女はキョトンと目を見開いていた。ボクは立ち上がって、彼女の前に立つ。そして、赤いマントを払った。


「ボクはこのオスカー王国の頂点に立つ男、アンドレ=オスカー四世であるッ! このボクに利益や思惑なくして、好意のみで協力してくれる者など、いるわけがなかったのだ。何か邪念のある愛情を欲する子供などおらん!」


 ボクは振り返って、目を丸くするカグヤ殿の前に座る。そして、ボクは彼女に手を差し出した。


「ずいぶん時間が経ってしまったが、そなたの質問に答えてもよいか? そなたはこれから、ボクと共に暮らしてもらう。だが、ボクは多忙であり、今のように少々危険と隣合わせの生活だ。もし、そなたがそれを了承できるのであれば、ボクが責任をもって、この城で面倒看させていただこう。如何か?」


 すると、彼女の顔が嬉しそうにほころぶ。彼女の手はボクの手を通り越して、ボクの首に巻き付いてきた。


「うん! カグヤ、おーさまといる!」


「そうか。では、これからそなたの部屋の準備などいろいろまた仕事をしなければだな」


 ボクはジェイドと話をつけるため、そのまま立ち上がりたいところだったが、カグヤ殿はボクの首から手を離してくれない。仕方なしとそのまま彼女を持ち上げようと試みたものの――ボクはその重みに負けて、尻餅を付いてしまった。


 すると、カグヤ殿の耳が垂れ下がる。


「おーさま……カグヤ、重い?」


「そ、そーいうわけではないぞ。断じて……おそらく。きっと、ボクが鍛えが足りんのだ。最近は机仕事が多かったから、そのせいで筋力の衰えが――」


 慌てるボクの横から、救いの手が差し伸べられた。ボクの代わりに、ロクロウが軽々とカグヤ殿を持ち上げる。


「まったく……アンドレ様とはいえ、情けないと言わざるを得ないでしょうなぁ。カグヤ様、今日はこの老いぼれの抱っこで勘弁してもらえませぬか?」


 ロクロウの背筋はピンと伸びており、足の震えも微塵も感じさせない。それにカグヤは嬉しそうにロクロウのひげを引っ張る。


「ろくろーじいちゃん、たかいたかーい!」


「畏まりました。ほら、たかいたかーい!」


 天井に伸ばす腕も、しっかりと安定している。ボクはそれを見上げながら、気を取り直すために咳払いをした。


「あー、ジェイド殿。こ、こういうわけだから、振り回したことは大変申し訳なかったが、この話は聞かなかったことにしていただけるだろうか」


「で、ですが……アンドレ様……」


 何かジェイド殿が話そうとしているが、それよりも先にボクは言う。


「あと、早急に片付けなければ仕事ができてしまったのでな。謁見はまた次の機会にしていただこう」


「か……畏まりました、国王陛下」


 恭しく頭の下げるジェイド殿だが、その顔は確かに口惜しげであった。



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