ヘッドホンはイヤホンより音量が多すぎて若干調整が難しい
「ギャアアアアアアア!」
自室に響く美しくも情けない声。
それを聞きつけ妹がドアをノックする。
「お兄ちゃんどうしたの~!?いやらしいモノでも見てたらグロテクスなホラー画像に変わる最近流行りの広告でもポッチしちゃったの~?」
「ちげえわ!いやらしいってどんなの見てると思われてんのおれ!?……いや、そうじゃなくてヘッドホンの音量が凄まじすぎて耳の鼓膜が破れるかと思ったんだよ」
「あーあ、お兄ちゃんイヤホン派だったからヘッドホン使った事無かったっけ?それ音量的に3あれば十分だよー」
…………なるほど、これそんな小さくて良いのか。
「ギャアアアアアアア!」
またも響く悲しい叫び。
それを聞きつけ従姉がノックする。
「どうしたチャゲ!?何かあったか?」
「誰がチャゲだ!?てかチャゲって誰だ!?チャゲ&明日香か!?明日香の兄だがチャゲじゃねぇよ!」
「あらそう……人違い?」
いやこんな所に何で有名歌手がいると思ったの?
「ЯeaLにヤバいからハル姉、このヘッドホンマジでヤバいから!音量3でめっちゃ大きいんだけど!?」
「ああ、悪い莉依。それ音量4×4段階で多分3って事は3×3だからデカくて注意!」
「注意じゃねえよ馬鹿野郎!おれの耳の鼓膜はメンタルブレイクよりソフトなんだぞ!?何でこの家の家電製品はどれもこれもこんなんばっかなんだよ!?性能高すぎておれに合わねぇよ!」
「悪い、今度改造し直すよ」
お前の手作りだったんかいー!
いやそれにしてもデカすぎね!?
3×3でこれって事は1×1でもまあまぁ大きい気がする……
シャンシャンシャンシャン
良~い感じの小ささ。
これなら夜聴きたい感じの良い音量。
しばらく聴きたいけれど明日変態教師が家庭訪問に来るって言ってたから部屋の片付けをしなくちゃならない。
プチッ
「ギャアアアアアアア!」
2度ある事は3度ある。
また響いた美少女の泣き声を聞きつけた2人は、同時にノックした。
「どうしたのお兄ちゃん!?大きすぎて耳の鼓膜とうとう破れた~?」
「それともチャゲになるため金髪から茶髪にクラスチェンジか~?」
お前らそればっかりか!?
「髪の毛が絡まったヘッドホン外したらプチッて髪が千切れた音がした~、てかめっちゃ痛い!」
「「……………………おそ松様でした」」
3度目の正直……なんか悲しい。
ヘッドホン、問題多すぎておれに合わねぇや。
PS:カラオケ大会ではまあまぁ点数高いおれだが、妹の明日香やハル姉はプロクラスです。




