UNOでUNOならUNOと言おう!
「UNO!」
あと一枚残った!これで出せればおれの勝ち……
「甘いな莉依。ドローフォー!」
「ぐああ!」
予想の他強い明日香は一番抜けし、現在ハル姉とタイマン対決。
しかし一向に勝負の終わりが見えず、先程から似た展開が続いていた。
「ふん、私がハンデで14枚スタートしてやったにも関わらずお前は弱いなあ……」
「そのハンデで明日香に負けたのどこの誰だっけ?」
「言うなーー!明日香があんなにチートな手札を持ってるのがおかしかったんだよ!?ドローフォー2枚あってドローツーが4枚、最後に普通に出して終わりとか仕組み手札並の暴挙じゃねえか?あたしの手札が明日香によって30枚まで増えたんだよー!しかも莉依がミチミチ長続きさせてるから終わんねぇんだぞ!」
当の本人は優雅に豆パンを食べている。
どうやら明日香は豆パンが好きなようだ……いや、殆どの人が嫌いなだけだけどね。
「喰らえ!はあっ!」
「ああああああ!?」
運良くさっき引いたカード全てが色違いの6な為、一気に出す事が出来た。が…………
「フハハハハハハ!詰めが甘いな莉依よ。これでも喰らえ!」
…………普通の赤い6?
「馬鹿め!これでトドメだ!赤の4………あ、」
「お前はUNOを忘れている。つまり5枚引かなければならないという事だ!残念だったなあ、はっは!」
「わあああああああああっ!ひでぇ……せっかく勝ったと思ったのに……」
「バカめ、これでUNOだ!」
「チッ、やばい」
ハル姉あと一枚じゃねえか……
しかしさっき引いた一発逆転のカードがある。
「これでどうだ!?」
「何!?」
色変えカード、場面の色を変える事が出来る。
「おれは青を選択!どうだ!?」
「……チッ、」
ハル姉は一枚引いた……しかし何も無い。
どうやら今ハル姉の手札には2枚あるカードはどちらも青では無いらしい。
それなら……
「青の5!」
「無い……ドロー……チッ、」
またも出なかったらしい。
いける……!
「これでも喰らえ……はあっ、UNO!」
黄色の5を3枚出すと、ハル姉は口の端を釣り上げてニヤリと笑った。
「馬鹿めっ!黄色の6を3枚!これで終わりだああああ!」
ギャアアアアアアア
おれの……負けだ。
「まだまだ甘いなぁ、莉依?」
「チッ、」
やっぱりハル姉は強かった……あれ、何だかおかしくね?
「ハル姉……UNO忘れてるよ?」
口いっぱいに豆パンを頬張らせ、美少女の美の字の欠片も無いような顔で明日香がそう言うと、ハル姉は無言の表情で明日香の豆パンを取る。
「…………私の勝ちだ!」
ドヤ顔でそう言って豆パンを頬張ると、自室へ走って行った…………。
「「…………何がしたいのハル姉ーーーー!?」」
意味不明なまま、兄妹の虚しいツッコミは響いた……。
PS:ハル姉曰く勝ち逃げすれば問題ないらしい……これはいろんな意味で負け逃げの気もするが。
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