カレーうどんのシミは絶対不可避!
「わあっ!カレーの汁飛んだぁー」
明日香はカレーライスを作るのはプロ級だが、カレーうどんを食べる時は毎回必ず汁が飛ぶ。
抜かりないのかドジなのか……14年間兄をやっているのだが未だにわからない。
そんな明日香を笑いながら、作った本人はまたも不服そうな顔をしている。
「なあ莉依?このカレーもうちょいハチミツを牛肉に浸す時間を二分くらい短めにした方が良かったかな?どうも若干柔らかい気がする……」
「知るかーーー!そんな超次元な話急に持ち出されても読者目線では1ミリもわかんねぇよ!てか、俺ハチミツ入ってる事さえ知らなかったし!?」
「お兄ちゃんはまずお水を入れる事と煮込むという事を先に覚えようか……?また気絶するよ?」
仕方ないじゃん。
おれ焼肉派だし。
「でもハル姉は誰からこんな技術習ったんだ?どう考えてもコレ三ツ星店舗急だよな?」
「私もそれ、気になる。だってコレ絶対私作るのに二年くらい修行しなきゃ出来ないもん……」
「お前は全世界のカレー職人に一旦謝ってこい。」
この天才肌共は修行を舐めてるのか?俺だったら100回転生してもこの領域にたどり着けないぞ。
「私か?私は初めて作った時にすっごいまずくってなぁ……全部残さず食べて吐きそうになった。それこそ莉依が作る泥カレー並にな……本当に苦い思い出だ。」
………意外だ。ハル姉がそんな苦い思い出を持っていたなんて。
それより人の傑作を泥呼ばわりするのはやめろ!
「2回目作った時は自分なりに努力して結構歴作になってな。丁度夏休み前だから2日間超頭使って考えた結果、今の味になった。それを小二の頃に自由研究に出したらヤバい事になったっけ……色んな店から中学卒業後に手紙が来たのは軽く引いたわ。」
「まぁこの味じゃ仕方ないよ。ハル姉カレーライスのルゥでここまでカレーうどんを美味しく仕上げるんだもん!」
これカレーライスのルゥだったのかよ!?
「莉依……お前今カレーライスのルゥだったのかよって思っただろう?」
「いや人の頭の中を読むな!」
何で語尾のよまで読んでんだよ無駄に腹立つからやめろ!
「断言しよう……カレーライスのルゥはカレーうどんに合う!」
「…………。」
「…………。」
「ん?どうした二人して変な顔して?私の顔に何か着いてた?」
「……ハル姉、」
「……服。」
「………………あ、」
さっきテーブル叩いたアレで汁が飛んだんだな。
「ギャアアアアアアア!おニューの服があああああああっ!」
カレーうどんの染みは絶対不可避……。
今ハル姉がまた叩くもんだからおれの服にまで汁が飛んでいた…………。
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