お好み焼き戦争
「じぃ~~~~~」
「じぃ~~~~~」
「じぃ~~~~~」
……今、3人で食卓囲んでにらめっこをしていた。
何が始まるのか……それはタイトル通り。
「うおおおおおおおあああああ!とった!」
「あぁ!?お兄ちゃん取りすぎー!私これだけなんだよ~!?」
「いや殆ど変わんねぇし!てかハル姉が一番取ってるじゃん圧倒的に多すぎだろ!?」
「はっはっは!まぁお前達にはお好み焼きはまだ早い。出直して来るんだな!」
ご機嫌顔でおよそ半分を独占したハル姉。
俺と明日香はそれぞれ半分の半分だった。
ドヤ顔で頬張るハル姉にふくれっ面で黙々と食べる明日香。
食卓と言うより試食会みたいな空気の中、とある事に気づいた。
「ハル姉……ヘラ。ちょっとでかくね?」
「…………。」
返事が無い。
ただのイカサマのようだ。
「あれ、ホントだ?ハル姉ズルーい!」
「…………。」
返事が無い。
どうやら図星のようだ。
「いや、ちょっと大きいだけだから!?特にそこまでみんなと変わんないからギリギリセーフなんじゃ……」
どう足掻いてもイカサマのようだ。
大人はずるい。
「ハル姉、ちょっと分けてくれてもいいじゃない?本当にちょっとでいいから?本当にちょっとで」
「はい。どうぞ」
「………。」
いや、ちょっとでいいとは言ったけど一口分ねぇじゃん!
猫の一口分くらいじゃん!
「おい!ハル姉、私の分はもうちょっと……いや、三口分くらいは頂戴よ?お兄ちゃん私より若干多いじゃん?ほら。」
「いや、それ俺より食うスペースが早すぎるだけだろ?てか、俺と元々あんま変わんねぇからな!?」
「仕方ないなぁ……大人は辛いよ」
どの口が言ってんだどの口が?
「やった!ハル姉やっさしー。ありがと…………あり?」
「どうした?そんな見つめて……え?」
少な!?
超少な!?
三口分ってか、これ猫の三口分くらいしかねぇよ!?
結局人の一口分もねぇよ!?
「「ハル姉もうちょい寄こせよ!?」」
明日香と超いい感じのイントネーションでハモった。
さすが兄妹!
「お前らなぁ……一応あたしの金で買ってやってるんだからちょっとくらい多くても良いじゃん!ココ最近駅弁ばっか食ってたから栄養偏るんだよ?」
元も子もない事言うなよ……てか何でコンビニ弁当とかじゃなくわざわざ駅弁?
そりゃ栄養も偏るぜよ!
「それにさっきブラックカレーを調理してやったんだからこれくらいバチは当たんねえっしょ!」
「いや、俺間違えて食べて間に合わなかったんだけど……」
気絶してたし。
「でもそれはお前の責任だろー?」
……………………ぐぅの音も出ない!!
PS:お好み焼きにソースを掛けるのが一般的ですが、夕暮家では基本的に皆トマトソースをかけます。




