2日目開始part2
俺の机が偉いことになっている。
一時間目の授業は美術のスケッチ。
嫌な予感程当たる現実をじっくり押し付けられている。
「……描き辛い。」
俺は仕方ないのでドラ〇もんを描くことにしたが、クラスの大多数が俺の顔をスケッチしている。
中には下手なスケッチに蹴りを入れる奴がいる始末だ。
何がやばいって、机を囲む円がやばい。
クラスの視線がやばい。
十六年間で無いほどの視線の集まり方がやばい。
俺は毎回スケッチする度この視線を受け続けなければならないのだろうか。
「……ちょっと席を外しますね。」
気分転換にトイレに駆け込んだ。
これもう一種の集団差別だよ!
「〜〜〜〜ッ!?何でこうなるの〜。」
ため息混じりの声は個室トイレに深く響く。
明らかに高嶺の花だと前の自分なら思っただろう。
これが自分じゃなきゃね!
あまりに不遇な美少女の暮らしに若干の後悔を覚えながらトイレを出た目の前には……
「……何やってるの?」
「〜〜ッ!?何黄昏てんの?」
何故か笑いを堪えるハル姉の姿があった。
PS:トイレの女神様は俺を好んでいらっしゃるようで、何故か今に限って外には誰1人いなかった……いや、ハル姉がいたか。
PPS:パート3は二時間後に投稿します。




