美少女の悩み事 part2
学校内を駆け抜けた悲劇の逃走の末、俺は命からがらハル姉のマンションまでかけ戻った。
もはや一種の依存にも思えるロリコン勢によって俺の新たなトラウマが増えた。
でもあまり気にするのも傷物になるから早めに忘れる事としよう……
「ハル姉〜疲れー。シャワー借りるわ〜。」
「今日はやけに早いのね。ズル帰りか?」
ぶっきらぼうな問にぶっきらぼうな返答が帰ってくる。
このやり取りは俺とハル姉の間では他愛もない、平常運転な事だ。
「そんなんじゃねぇよ。さんざん追っかけ回されてちょっとチキン有給を貰っただけだ。」
俺は別に帰りたいから帰ったんじゃない。
ただ面倒くさいから放り投げたくなっただけだ。
「何言ってんのよ〜?アンタ昨日までずっと春休みの延長線だったくせに。」
ぐうの音も出ない。
俺は鞄を置いてシャワーを浴びに行く。
学校内にラノベを置いたまま帰った気もするが……気のせいにしておこう。
「なんだろなー…………みんないい奴だと思うけど媚び売り激しすぎんだろ」
湯船に浸かりながらポツリと呟く。
湯気で顔に曇る視界がどことなく心地良い。
俺は小さな左手で湯を救いながら細く艶かしい細指を凝視する。
「今日で一週間……か」
この魔性の変態特性を秘めた我儘潤いボディになってから一週間が経過した。
のどかで平穏な学園ライフはどこえやら。
初日から未来が不安化する一日だった。
この身体は妙に心地良い動き具合だし、別に嫌な気はしないのだが……
「このままで良いもんかね……男子高校生として日常を送る方法を探すか、超絶美少女高校生として荒々しくも別格の非日常を送るか……俺としてはこの身体でも周囲の目が優しいから別段、心地良い気がしないでもないが……」
もしかしたら一生このまま、なんて事もありえなく無い……と言うか逆にこのまま元に戻る方法が見つからない事の方がおかしくない。
もしそうなってもあのバカ三人組(明日香、ハル姉、母ちゃんの事)が心配する事は無いだろう(主に天然性格的な意味で)。
それにこの身体だと融通してくれる人が多いみたいだし〜(主にロリコン属性のある奴)。
頑張ればモデルにも慣れるかもだし〜(自惚れではなく天然美少女の明日香、ハル姉のお墨付き)
……ま、しばらくは美少女ライフを楽しむのもいいかな……
「とりあえず明日は早退しないでいい様に、みんなとの距離縮め頑張ろ」
不安な思いを抱きしめながら艶かしい胸を撫で下ろす。
……見た目によらず若干巨乳だからなんか悪い事している気分だ。
のぼせた頭を水で冷やしてから浴室から出る事にした。
PS:俺の戦闘力眼によると明日香より若干巨乳らしく、ハル姉よりはまだまだ小さいらしかった。




