どうして私が女の子? 哀れな美少女
ジリリリリリッッッ
目覚ましの音に目が覚める。 眠気に煽られながらも俺はベッドから立ち上がる。
「はぁ、 今日から学校か〜。」
しかも今日から学校だ。 眠いのに学校とか、 なんでこの時期に休み明けなんだろう。
ぶつくさ言いながらパジャマを脱ぎ捨て鏡越しに立ち、制服に着替えようと…
ちょっと待て?
あれ、 俺の胸ってこんなにでかかったっけ?
軽くもんで見るとポニョンッと跳ね返る。
あれ、 なんか身長縮んでるの気のせいだよな?
身長を測ってみても明らかに顔一つ分以上縮んでいるのは明らかだ。
あれあれ、 ってか何で髪の毛こんな長いんだ? 膝丈位まであるんだけど?ってそれより髪金色ー!?
あれ、 ひょっとして… 俺…
「なんで女になってるの…?」
いいや、 ないないないない。 まだ寝ぼけてるんだよ。 そうだよ。 そうに決まってる。
いくらモテないからってこんな寝ぼけるとかアホだわ。
いくら童顔だからって女子に飢えているほど俺は野獣じゃない。
「リトー! 早く起きて来なさーい! 」
やべぇ、母ちゃんが起こしに来る。 二度寝するか? それとも風邪ひいたって誤魔化すか? いや、それはさすがにやばいだろー。
「何やってるのー? 早く起きなさーい! 」
「わかったー! 今行くー! 」
やっちまった。
今の声でバレてないかな?無理かな?
それよりどうすんだよこの髪?背?胸? 隠し通せるわけないだろ? 馬鹿か俺ー!?
よし、こうなったらあの手を使おう。
俺がかつてゲームの大会に参加する際、 ズル休みする為にあみ出した秘技、逃走………
…………。
よし! 何とかいけた!
母ちゃんには学校行くってメールしたし。 あとはこの姿をどうにかする必要があるな。
この姿で学校行くわけにはいかねーし。
かと言って誤魔化せるもんでもねー。
ん? どうやって切り抜けたかって?
実は俺、運動神経良から窓から飛び降りた。
まあ常人なら下手したら骨折ものだがそれを俺は克服した! (ズル休みする為に)
骨折れた時は鳥の巣の卵が美味しそうだったと言い訳して毎回怒られたけどね!
それより今後を考えないとなー。
まずバレる。確信持って言える。
でもバレたくないけど仕方ないし、そもそも事情を話せば良いだけなのだが……それ自体なんか嫌だ。
それよりさっきから妙に視線を感じるな? (男子中心に) あれ、ひょっとして… …もしかすると… …
俺はとっさに自分の身体をまさぐってみた。
うん。 間違いない。
さっき鏡に映っていたのを見た限り俺は絶世の美女になっている。
しかも髪色は金髪なのに超長いとか、外人かよ。
「でもどうすっかなー、 俺にゲイな趣味はないし……このままだと恋愛するには変態コースまっしぐらだ。」
…………打つ手ねぇ。
「突っ込みたい事は山々だけど今は情報収集に切り替えよう。同じような人がいないかネットで探すしかない。 なら一回家に帰らなきゃダメか…」
これからの事はこれから考えればいい。 今は一刻も早く情報を集めなければ。
PS: 声もめちゃくちゃかわいい