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フィルム  作者: 下っ端
2/2

地震

20011年1月


またこの季節がきた。

肺の中の空気まで凍りついている。

そんな気がする。


だけど路上ライブはやめる気はない。

こんなに寒い夜でもお客さんが集まってくれているから。


あの黒田くろだと会ったあの夜以降から、俺の知名度が上がってきた。

ONEワンっていうラッパーの名前は皆に知られるようになった。


こんな時が来るなんて、正直戸惑っていた。

だが、嬉しさが寒さを消す。


「皆さん集まっていただいてありがとうございます」

路上でマイクを握りながら、冷たい空気に響かせる様に言った。



ライブの調子もいい!テレビなんて話もきている。

そんな流れが今きていた。



2011年3月11日


朝から俺は出かけていた。

好きなブランドの服の発売日だったからだ。

歩いている道の両側に、街路樹が植えられている。

まだ蕾だけど、春の往来を感じさせた。


「なんて気持ちのいい朝だろう」

そんな明るいテンションで俺は歩いていた。



しっかりと服も買え、近くのカフェでゆっくりしていた。


その時


ドドドドド

と音がなり、地面が揺れ始めたのだ。

「地震!?」

でもこの大きさは尋常じゃない!


立っていられない程の地震を経験したのは初めてだった。

しばらくすると、揺れはおさまった。



家に帰りテレビをつける。

するといつもはバラエティー番組が放送している時間なのにニュース番組がやっていた。

どのチャンネルでもそうだ。


そして画面の左下に日本地図が書かれていて、東北の太平洋側に赤いラインが入っていた。


「津波警報!」


そうニュースキャスターは言っていた。


数日が経った

しばらくは震災のニュースばかりだった。

被災地の風景もテレビでは流れていた。


まるで神の怒りに触れた様に、酷い風景だった。

「自然災害の前では、なんて人間は無力なんだ」

そう思ってしまうぐらいに。


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