流星群
過去の記憶を思い出す
町がまるで死んでいる様な静けさ
明かりは街頭と自分たちが持っている懐中電灯だけだった。
凍てつく手で学校の校門を開けようとする。
鍵がついていて開かない。
後ろを振り向くと、高校生の頃の友達が3人俺を見ている。
ため息をつくと、息が白くなって目の前を覆う。
一人の友人が校門に上り中へ入っていく。
そいつが手招きする。
そうしたら俺たちも笑顔で校門の向こうに渡る。
校庭の真ん中まで走っていく。
そこで友達がレジャーシートをカバンから出す。
そして男4人で寝転がり空を見上げている。
「なあ!生きる意味って何だろな?」
空を見上げながら、思ったことを俺は言う。
現在に戻る
「よう!久しぶりだな斎藤」
黒田が改札口から出て直ぐに俺の方に近づいてきた。
「何年ぶりだ?」
名前の様に顔が炭で黒くなっている友人に聞いた。
「3年だと思うぞ」
「随分と遠くまで行ってきたらしいな!とりあえず飲もうか!」
「そうだな・・・・・・」
そう言って重そうな荷物を俺に渡してきた。
日が沈む頃には黒田の家に荷物を置いて飲み屋に行っていた。
「この3年間どうしてたんだよ!みんな何気に心配してたぞ!」
酒を口に運ぶ
「ただの出稼ぎだから、何もないぞ」
多分この3年間を思い出したが、それでも何もなかったらしい。
「みんなどうしてる?」
「ああ!みんな何も言わずにどっかに行くもんだな」
「じゃあもう路上ライブもやってないのかよ?」
「やってるよ!一人の時もあれば誰かが来ることもある!客の入りは前と変わらないけど・・・・」
黒田と俺は近況を話終わっると、次に昔話になった。
「あの流星群!見に行った時覚えてるか?」
黒田がいきなり聞いていた。
「あ~結局星一つも流れなかったやつか・・・・」
「そうそれ!寒かったよな~」
「もう二度とやりたくないな」
そう言って笑っていたけど、2人とも内心またみんなで集まりたいと思っていると感じた。
「有名になってくれよONE!その時は自慢するから」
希望の眼差しで俺を見てくる黒田。
「最近はPVとか作って投稿してるから、頑張るよ!」
「そう言えば!流星群の時に言ってた事覚えてる?」
「何が?」
俺は心当たりがなく、黒田に答えを求めた。
「「生きる意味」とかいうやつ」
「それか!うん覚えてるよ」
「今思うと高校生のガキがいう事じゃないと思うよな~」
黒田のいう事に同感した。
「でもまだ達成できてないから、まだまだって感じだよ」
そう言ってその日は解散した。
携帯の日付は2006年9月15日を示していた。