始まりへ向かう終わりのお話
雨が降っている。
ここは、どこ?
私は2人でお祖母ちゃんのお家に………
そうだ、◯◯◯◯◯はどこ?
ジャリ
「大丈夫?」
だれ?
「川岸に打ち上げられていたんだよ。」
◯◯◯◯◯は?
「2人で崖の上で遊んでいたのか?落ちたら危ないだろうに。」
ううん、怖いのが来たの。私達を追い掛けて来たの。
「そう、なら見てくるよ。崖の上だろう。待ってて。」
(いい?他人を信じてはいけないよ。)
………。
「そんなに警戒しないで。ああ、そっか。俺は穂武良って言うんだ。」
(君には素質がある。)
………………ネオン。
「そう、ネオンちゃん。いい子だから寝ててね。」
(きちんと出来たらまた彼と会わせてあげるよ。)
茶髪のお兄ちゃん………ホムラは出ていったようだ。
私は軋む体を起こし、あのコを探す。
「おねえちゃん、おきてていいの?」
………名前は?
「なぎ!」
この子が凪………。
私は命令通りに引き金に指をかける。
パァ----ン
音が響く。
「おねえちゃん、なにしたの?」
お父さんに伝えなさい。上ノ国はもうだめだと。
あなたのそれは呪。あなたが母親と同じ力を発動させたら、使用前に死ぬように。
チキッ
「君は何者だ?」
早かったのね。
「嘘はいけないな。誰の差し金だ。」
嘘じゃないよ。◯◯◯◯◯は私を崖から突き落とした。
まあ、これで条件は揃った………私は助けに行ける。
影が渦巻き私を包み込む。
さぁ、戻ろう。あの夏の日へ。
忌々しいあの場所へ。
この音はなんだろう。
雨だ………そしてスロットが揃う音。
「………嘘つき兎?」
さぁ、行こう。
ワタシは嘘つき
Liar rabbit.