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神の体とすべての記憶を取り戻したアギは、迎えに来た死の神ナルガとともに故国へと飛翔していた。彼の両腕にはイズナの魂が大事そうに抱えられていた。飛びながら彼は涙を流した。ナルガが不思議そうに彼を見つめた。
「私は涙など流さなかったはずなのに」
アギは言った。
「ああ、イズナ、なぜあんなことを」
「これでよかったのだ」
ナルガが言った。
「こうする以外なかった」
「わかる。わかるけれど、なぜこんなにつらいのだろう」
「まだ人間の心が抜けきっていないのだ」
「私が死んだら」
アギは喉を詰まらせた。
「また彼に会えるだろうか」
「先の話だ」
アギは、イズナが最後に浮かべた不思議な笑みを思い浮かべた。あれは会心の笑みだった。そして約束だった。彼とアギがまたいつか会えるという。
アギはイズナの魂をそっと抱きしめた。
【完】




