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王の部屋にて2

「は・・・?」

 ヴィアルスは思わず聞き返した。確かに似ている。似てはいるが、メイティアの王女であるツェルリアとの接点は欠片も見当たらない。

「もちろん父親じゃないよ。あの子の父親は正真正銘あのクズだから。残念だけどね」

「ラウル、どういうこか詳しく説明しろ!」

 あっさりと部屋を出て行こうとするラウリディルを慌てて引きとめようとするが、間に合わなかった。

「いま言ったこと、あの子には内緒だよ。あの子はなんにも知らないんだから。でもヴィアくん、難易度が高い子を選んだね。君なら選び放題なのに」

 最後にクスッと笑いをこぼしてから彼は出て行った。

「チッ!今度見つけたら縛り上げてでも吐かせてやる」

 ヴィアルスは恐ろしいことをサラリと呟いたのだった。


 ラウリディルの去った後、ヴィアルスは執務室で莫大な量の書類を(さば)いていた。今後メイティアを復興させるために早急に仕上げなければならない書類だ。

 それらがほとんど片付いたのを見計らったかのように扉がノックされ、クラウドの入室の許可を求める声が聞こえた。

「失礼いたします」

 クラウドは律儀に作法どおりの手順を踏み、ヴィアルスに向き直る。

「今夜のお食事はいかがなさいますか?いつものように自室で?それともこちらで召し上がりますか?」

「今日はツェリと食堂で食べようと思っている」

「かしこまりました」

 ヴィアルスは基本的に多忙であるため食事はいつも自室か執務室で取っていた。しかもほとんどの場合軽食で済ませてしまうので、今夜はシェフが久々に腕によりをかけるであろう。


「ところで、なぜクラウドが聞きにくる?いつもは侍女が来るだろう?」

「それは我が主が殺気を放ちながら仕事をされていたので皆が怖がってしまい、私に白羽の矢が立ったためです」

「・・・・・」

 ヴィアルスは言葉に詰まった。ラウリディルが意味深なことを言って立ち去ったため、しばらくは怒りが収まらなかったのだ。

「気に病まれなくとも結構です、我が主。私どもは主を信頼していますから」

「・・・あぁ。皆に感謝していると伝えてくれ」

「御意」

 クラウドは深々と礼をして退出した。


 リルヴェアが大国に成り得た理由は広大な土地でも豊かな資源でも技術力の高さでもなく、代々の国王の人望によるものだと、リルヴェアの民は自らの子に語り継ぐのだった。

短くてすみません。そしてまったくヒロインを出せなくて申し訳ありません(泣)

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