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第3話 向こうの世界

夕暮れピアノです。

お気に入り登録をまた新たにしてくださった皆様、本当にありがとうございます。

前よりも面白く読めるように頑張っていきたいと思います!

今回はちょこっとしか編集していません。

最後の方にある人からの秘密のメッセージが書かれています。

それと、「約束~」はこちら側に全部移し終えたら元の小説は消去する予定です。

お気をつけください。

とある場所。日本から遠く遠く離れた世界。

とある城の中、小さな少年がいた。

・・・三人の兄がいる、とある執務室のなかに。






「ラディにーさま、遊んで~っ!」


「ごめん、今忙しいから。他の人と遊んでくれるかな?」


ラディルの返事に、ヴァルはぷくっと頬をふくらませた。

しかし、すかさず通りかかったリヴィルに声をかける。


「リヴィにーさま、遊んで?」


「あほか、お前は。仕事してんの見りゃわかるだろ?俺の弟には気遣いの欠片もないのか・・・。」

  

外に出てぇ、と呟きながら退屈そうに紙の束を見やるリヴィル。

グサグサッ!!!!!

ヴァルは1000以上のダメージを受けた!

しかし、こりずに次の人物に声をかける。


「エヴィにーさま、遊んで「嫌だ。」・・・・ですよねー。」


はぁ、とため息をつきながら、ヴァルは肩を落とした。

そんなヴァルの方に目を向けて、仕方ないというようにリヴィルが声を掛ける。


「大体、侍女だっているんだから。

 そっちに遊んでもらえばいいだろ?」


「だって、みんな遊んでくれないんだもん!」


「・・・ちなみに、どんな遊びをしようと誘ったんだ?」


「え?たいしたことじゃないよ~。

 ただ、空を飛ぼうとか、火の玉で火の玉合戦しようとか、そのくらいだよ?」


『たいしたことだっっっっっ!』

 

リヴィルとラディルの剣幕に、少したじろぎながらヴァルは抗議した。


「い、いや、冗談だよ。うん、冗談。断られたしね。

 なんかすごい勢いで逃げられそうになったから、ちゃんと違うことしようと

 思ったんだよ?だから、魔法合戦しよ~っていったんだけど・・・。」


「・・・・・・。」


二人はただただ無言であった。


今まで黙々と働いていたエヴィルがぼそりとつぶやく。


「・・・逃げられただろ。」


「うん。・・・なんでだろ?魔法合戦っていったとたん、

 みんないなくなっちゃって・・・。」


『あたりまえだっっっっっっっ!!!!!!!!』


仕事をする手を止めて、三人が叫んだ。


「とにかく、ヴァルは自分の部屋に戻ってくれ・・・。」


とラディル。


「仕事がはかどらないですから。とっとと出てってください・・・。」


とリヴィル。


「邪魔・・・。」


とエヴィル。

三人の攻撃をうけ、ヴァルは倒れた!

とぼとぼと、執務室をでていくヴァル。

 

彼がいなくなったあと、その部屋のなかではため息が充満していたとさ。











とぼとぼと部屋に戻ったヴァルは、ぽふんっとベッドの上で跳ねていた。

 

「あ~あ・・・。つまんないっ!」


(そりゃ、忙しいのはわかるけどさぁ・・・。)




なんといっても。




三人ともこのフェルベーナ王国の王子なのだ。

様々な仕事で弟をかまう時間はないのだろう。

かくゆうヴァルも、第四王子であるが、

10歳以上でなければ国政に関わることはないのだ。


「つまんないなぁ・・・。」


もう一度つぶやくと、近くにある本棚の中から、

ろくに題名も見ずに一冊の本をとりだした。

ベッドに寝そべったまま、パラパラと中身をみていると。

 

ふと、ヴァルの手がとまった。

「召喚魔法?」

(なんか、面白そうっ!)

吸い寄せられるように夢中でそのページを読んでいく。

中には魔法陣や難しい単語が記されていたが、こっそりと書庫で勉強しているおかげで

苦も無く理解できた。



そして。




読み終わったヴァルの瞳は、キラリと輝いていた。


「これなら、僕でもできるよね?」


ふんふんと機嫌よく鼻歌を歌いながら、ヴァルは部屋を出て行く。

そこに兄達がいたらすかさず止めていただろうが、

あいにくそこには誰もいない。


数時間後にラディル達は激しく後悔することとなる。





まだ9歳のくせに、無駄に魔力が多いアイツを一人にしたのかと。















ほら。


ささやくのは、誰。


王を、望むのは誰。


王を、守るのは誰。




私が愛した国を守ってくれる?



きっと助けるよね。



誰よりも優しく、強く、お人好しな。



私の護衛としてしか存在を許されなかったのに、傷ついてさえ私を慰めてくれた。



――――お姉ちゃん。



きっとここには必要としてくれる人がいる。


きっとここには愛してくれる人がいる。



だから。



願うことなら、私のお姉ちゃんがこの世界へ来れますように。




私に縛られずに、笑ってくれますように。



でもね。



きっとお姉ちゃんを必要としてるのは、私の方だよ。




私を守ってくれた、遠い親戚なだけなのに誰よりも優しくしてくれた、あなたへ。




――――――フェルベーナ王城、古い古いピアノの裏側から。




遠い遠い世界の、あなたへ。




大好きです、宮姉。





from 詩歌 凪   To 日下部 宮都






「楽譜と本と私の異世界」主人公、凪からのメッセージです。

よろしければそちらも読んでみてください。

後々関係していきますので。

凪はミヤトLOVEです。

LOVEとかいて愛してるです。

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