許されぬ恋のはじまり~中盤~7
私は思わず自分を抱くように身を引いた。
だって、ダリウスが私の胸のふくらみに手を置いていたから!
「胸って言ったのはお前だろ?」
悪びれる様子もなく、ダリは後頭部を掻いた。
「そ、そうだけど……場所が違うわよ!私の手の位置ちゃんと見ててよ!真ん中を触るのよ!常識でしょ!」
「どこの常識だよ」
ため息をつきつつ、ようやく胸の中央に手を置いたダリに、私は咳払いして口を開く。
「じゃ、じゃあ気を取り直してやるわよ……」
そう言って目を閉じる。
「目を閉じて、相手の胸に、自分の気持ちを流し込むイメージを持って」
「分かった」
好き……
ダリウスが……大好き……
その時……
お互いの胸元からふわっと光が溢れた。
「……っ!」
驚いて目を見開いてしまう。
その光は、空中で細い光の糸となって絡まり合う。
そして、それは優しく溶けるように消えた。
「い、今の……」
「成功した、のか?」
「わ、分からない……」
…………
……
次から「許されぬ恋のはじまり~終盤~」になります(^^)/




