表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【大賞作家】天使と悪魔が交われば、世界が滅ぶ。それでも、1万年越しの愛を貫く。  作者: 花澄そう
許されぬ恋のはじまり~序章~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/119

許されぬ恋のはじまり~序章~6

 唇が重なった。



 それは静かで、けど抗いようのないキス。

 まるで、彼の体温と秘めた想いが一気に押し寄せてくるようだった。



「……んぅっ……!」

 彼の手が私の後頭部に添えられる。


 飲み込まれるんじゃないかと不安になるほどの熱いキスに、頭が沸騰しそうになる。

 ようやく唇が離れた時、目の前にある彼がささやいた。


「……顔、真っ赤だな」


 その余裕のある声に胸が跳ねるけど、その瞳はどこまでも真剣だった。


 恥ずかしさに頬へ手を添えた瞬間、

「か、からかわないで……えっ?」

 その手を取るように、彼が私の手首を掴んできた。




 そして、そのままの勢いで本棚に押しつけられる。



「好きだ。リシェル……」



 そして――再び彼は口を塞いできた。


「んっ……!」


 唇が重なった瞬間、全身が、グチャグチャにとろけていくような感覚に包まれる。


 でも今度は、先ほどの触れるようなキスとは違っていた。

 彼の熱い舌が割り入り、彼の熱と想いが遠慮なく押し寄せてくる。


 そんなキスだった。



「……んっ……はぁ……」


 深く、ふやけるほどに、何度も何度も重ねられる口づけ。


 彼の手が私の髪をすくい、頬をなぞり上げる。

 指先が耳の後ろをかすめただけで、身体が跳ねた。



「……ん……」


 熱くて、甘ったるくて、どうしようもなく苦しいのに……それなのに、離れたくない。


 もっと彼を感じていたい。



 ようやく唇が離れた頃には息も荒く、身体の芯まで火照っていた。

 でも、目の前の彼もまた、同じように見えた。




 この時の私達は、まだ世の中を……現実を甘く見ていたんだと思う。


序章はここまでです(^^)/

次は中盤になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ