忍び寄る影5
「俺も、手伝うよ」
「……え?」
「一人より、二人の方が答えを出せる可能性は高くなるだろ」
「確かに、そうだけど……いいの!?」
信じられない。こんなにすんなりと……
実は騙そうとしてる?
「ああ。俺もあの事件は気になっていたし」
でも――そこで彼の表情が険しくなった。
「だから今後は、お前一人で夜の学院をウロウロすんのはやめろ」
「えっ?」
「何かあれば俺に言え。夜なら俺と一緒か、一人で動くならせめて昼間にしろ」
「で、でも……」
「『でも』じゃねぇよ。お前、狙われてるんだぞ!?分かってんのか?」
彼の低い声に、私は思わず息を飲む。
「うっ……」
そんな私をじっと見つめてくるダリウスは、鼻をこするように指で触れ、少しだけ目を逸らした。
「なんかお前って……前から、ほっとけねぇんだよな……」
そんな呟きを聞いた瞬間、心臓が跳ねた。
それと同時に、頬が真っ赤になるような感じがした。
「えっ……」
「別に、大した意味はないけど」
そっぽを向いて言うけれど、ほんの少しだけ、頬が染まって見えた。
――なんなの、それ。




