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【大賞作家】天使と悪魔が交われば、世界が滅ぶ。それでも、1万年越しの愛を貫く。  作者: 花澄そう
忍び寄る影

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忍び寄る影4

 

 すると、ダリウスはふっと笑った。


「別に、誰にも言わないから安心しろ」

 その言葉に、私は驚いた。


「……えっ?い、言わないの?」

 私はてっきり……


「ああ。わざわざそんな悪趣味なことしない」

 悪魔なのに?と疑いの目を向けてしまう。


 すると「お前、信じてねぇな?」と据わった目を返してくる。



「だって……」

「真実を突き止めようとしてるんだろ?」

「う……うん……」

 あれ?ダリウスは噂を知ってるの?



「あの時、お前だけが『術式が似てるけど違う』って言ってたもんな」


 驚いて顔を上げる。

 ダリウス、あの現場にいたんだ。


 建物側で悪魔が検証班の光の壁に遮られていたけど、もしかしてあの中に?



「……これがあの術式か」

 そう言ってダリウスは私の手からメモを取り上げた。


「あっ!」

 でも、何かするわけでもなく、ダリウスは私のメモ書きをじっと見つめていた。

 そしてゆっくりと口を開けた。


「確かに、この術式……見たことねぇな。でも、悪魔の風魔法に似ている」


「やっぱり、そうだよね!」

「使ったことのない天使には、見分けがつきにくいかもな。ここと、ここがズレてる」

 ダリウスは、風魔法の術式と違う箇所を指差す。


「うんうん。だよね。それに、ここも……」

 そう言って形の違う線に指を置くと、ダリウスが驚いた。


「……お前、悪魔の術式なのに、よく知ってるな」

「えっ……」

 褒められて、かすかにほほに熱が帯びる。


「まさかお前悪魔か?」

「そんなわけないでしょ!」

 そう返すと、ダリウスはクッと笑った。



「そういや、検証班や学院関係者が大勢いる中で、必死に反論していたお前はとてもかっこよかった」

 ダリウスの優しい目に、私は思わず熱くなった頬に手を当てた。


「そ……そう?」

「……ああ」


 何かを考えているような様子のダリウスは、少しの間の後、真っ直ぐにこちらを見て来た。


 すると、ダリウスはとんでもない事を口にした。

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