表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【大賞作家】天使と悪魔が交われば、世界が滅ぶ。それでも、1万年越しの愛を貫く。  作者: 花澄そう
忍び寄る影

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/121

忍び寄る影3

 

 しかも、そんな前から!?

 なんで私、全く気付かなかったの!?



 指先の温度まで一気に下がっていく感じがした。


「気になってついて来てみたら……案の定、これだ」

 ダリウスは呆れたように言う。



「で?こんな夜遅くに何してたんだ?」

 ダリウスから、まるで今から尋問するかのような視線が飛んでくる。




「……し、調べものを……」


「は?こんな時間に?」

「最近、視線が痛くて……」


 私がそう答えると、彼は眉をひそめた。


「視線が痛い?なんでだ?」



 やっぱり知らないんだ。

 私が、孤立している事……



 天使や悪魔に事件当時のことを聞き回るうち、気づいてしまった。

 天使たちの間では、私が『悪魔を庇っている』という噂だけが勝手に広がっていることを。

 けれど、術式の記事を見つけたことまでは知られていない。


 事件のせいで悪魔からも距離を置かれるようになったけど、天使側で流れている噂は悪魔には伝わっていないようだった。


 それはきっと、教室も食堂も寮も、何から何まで分けられてしまったせい。その壁が、噂すら遮っているのかもしれない。




「……まぁいい。でもな、こんな時間に一人で出歩くのはもうやめろ」

「どうして?」

「こんな風に狙われるってことは、お前は何かで目をつけられてるんだろ」


 やっぱりそうよね。

 でも、心当たりは全くないんだけど。

 一体、誰が……



「術式を調べてたのか?」


 彼の言葉に、私は驚いて顔を上げた。


「なんで知ってるの!?」

 そう口にしてしまった瞬間、慌てて口に手を当てる。



 でも、彼は、「バレバレだ」と言って私の手元のメモを指先で弾いた。



 視線を落とすと、あの時に見た術式の図や状況を、自分なりに書き残したメモが目に入った。

 自分の二重のミスにサーッと血の気が引く。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ