先入観?6
一人目は、私と同じく天帝セラフィエル様の補佐を目指しているルヴェル。
二人目は、親友のルミナ。
三人目は……ダリウスだけど、まぁ悪魔だし、それはちょっと無理かな。
ルヴェルは、前の学校では首席で、ずっとトップの成績を取り続けていた優秀な天使。
術式の知識も十分にあるだろうし、過去に『何かあったら相談して』って言ってくれていた。
普通に考えたら、彼にお願いしたいところだけど……
残念ながら、ルヴェルは今日からしばらく学院を休むことになっている。
理由は、『洗礼の儀』。
洗礼の儀は、一定の魔力に達した天使が受ける、成長のための試練だ。
天界の聖地を巡り、精神を研ぎ澄ませることで一人前の天使として認められる。
その間、外界との接触は一切断たれ、戻ってくるまで誰とも連絡が取れないらしい。
魔力の多い天使だけが許される神聖な儀式。
彼の魔力は学院の中でも上位に食い込むほどらしいから、きっと上手く行くんだろうけど……今は相談できないのが残念だ。
……となると、やっぱりルミナかな?
ルミナは、私より1学年上で首席入学者だ。
知識も豊富で、成績も優秀。私と同じ上級天使でもある。
私とは違う観点を持っているし、だから私が見落としていた何かに気づけるかもしれない。
でも、ルミナの性格上、今回の事を明かすのには抵抗がある。
だからずっと相談を避けていたけど……それでも、親友なんだもの。
きっと……分かってくれるはず。……だよね?
「やっぱりルミナに相談しよう」
先入観?はここまでになります(^^)
次の章は、「親友」になります。




