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真実への追及5
――あの時に見た、術式と同じ形。
私の目の前には、紛れもなく、あの時見た術式が描かれていた。
信じられない気持ちで、隣の端に書かれてある説明文に目を移す。
その瞬間、私の背筋が凍りついた。
「……えっ?」
嘘っ……
嘘だよね……
「て……天使の、上級天使にしか使えない……術式……?」
私の指が小さく震え始めた。
だって、悪魔の仕業ではなかったという事を証明されたも同然だったから。
これが本当なら、天使が天使を襲ったってこと?
そしてあの小柄な悪魔は、えん罪で死んだ……?
そんなはずはない!
信じられない!
信じたくない!
何かの間違いだわ!! そうに決まってる!!
私は慌てて、本を本棚に押し込み、書庫から飛び出した。
…………
……
いつもお読みいただきありがとうございます。
「真実への追及」はここまでになります(^^)/
次は「先入観?」です♪




