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【大賞作家】天使と悪魔が交われば、世界が滅ぶ。それでも、1万年越しの愛を貫く。  作者: 花澄そう
天の裁き

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25/119

天の裁き4

 ついさっきまでそこにいたはずの、悪魔の姿は跡形もなく消え去っていた。




 ほんの、一瞬の出来事だった。




『何もやっていない』と泣きながら訴えた悪魔は、誰にも聞き入れられることなく、この世から消されてしまった。



 辺りは、恐ろしいほどに静かだった。




 心臓が、ドクドクと嫌な脈を打つ。




『悪』である悪魔が処刑された。


 信頼ある天使の検証班が調査をし、証拠をつかみ、その結果……正しく裁かれた。



 天使の誰もが信じる『正義』。



 なのに――胸が痛い。




「どうして……? どうして、また、こんなふうに裁くの……?」

 つい口から出てしまった言葉に、不思議に思った。



 ……また?

 今、私『また』って言った?



 処刑なんて、初めて見たはずなのに……



 でも、昔どこかでこういうのがあったような気がする。



 思い出せそうなのに、いくら考えても思い出せない。

 私は頭に手を当てた。





 あの術式に違和感を持たなければ、こんな気持ちにはならなかった……?

 今では分かるはずもない疑問が頭を駆け抜ける。



 私は手を強く握り、せめて安らかにと祈らずにはいられなかった。



 すると、奥側からすすり泣くような声が聞こえてきた。

 声先を見ると、先ほどつくられた光の壁の向こうで泣き崩れる悪魔や、目を吊り上げて怒りを露わにする様子が目に入った。



 近くの天使たちは『当然の結果だ』と言わんばかりに話をしている。

「これでやっと安心出来るわ」と、微笑む天使までいた。


 私は何かが喉につかえたような感覚を抱えながら、その場を後にした。






 その日の夜――


 寮の中は、まるで戦場のような有様だった。


 至る所で罵声が飛び交い、物は壊れ、床には割れた皿の破片が散らばっていた。

 天使と悪魔の溝は、今まで以上に深まり、ついに大勢の怪我人まで出てしまった。



 そして学院は、一時的に封鎖されることとなってしまった。

天の裁きはここまでになります(^^)/

次はリシェルが走り回る「真実への追及」になります。


↓少しでも面白いって思っていただけましたら、☆5を頂けると泣いて喜びます;;評価なさ過ぎて……

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