明美と麻衣の日常
6月18日。8時。私は目覚めたが、まだ麻衣は夢の中。独房は8畳くらいの広さだが、不自由はない。私たちは名張の3月と4月の激しい寒暖差のせいで5月に体調を崩した。カザルスたちの勧めでゲール公国に仮投降したが、後悔は微塵もない。コチラで仮投降は恥でなく、むしろ潔い態度だと評価される。私たちは悠加たちの紹介で参戦したから何かと優遇してもらえた。新しい虜囚服は無名だがセンス溢れる女性デザイナーと熟練の革職人のコラボレーションで製作された。姿見に映し出された自身の姿を見て私はうっとりした。黒革のコルセットでくびれた腰が実にほどよく締め上げられる。小ぶりなふくらみがザクロみたいにギザギザした黒革にそっと包み込まれ、押し上げられた。先が尖った尻尾までもが貞操帯に取り付けられ、私たちはまるで小悪魔にでもされたみたい♥尻尾は動物の毛を何重にも巻き、まるで猫の尻尾みたいな厚みがある。私たちの尻の穴の真上から生えたかのようにツンと上向いているのが微笑ましい。私たちはこの可愛らしい尻尾が大好きで、寝る時も潰さないよう気を配った。異世界側は私たちと悠加たちとの友情を壊さないでいてくれた。看守は見習いのスーザン。彼女はアルマ女学院高等部2年生だが、9月入学だから5月に文化祭がある。そのせいか私たちに初めから好意的。中には4月入学の女子校の見習い看守を選んで付ける国があるようだが、そんな意地悪はされなくて済んだ。4月入学だと文化祭が11月だから10月の準備中に性被害に遭うからだ。しかもコチラは春と秋にスポーツの県大会をやるから11月の文化祭に他校の男子が来てくれない。異世界は日本かぶれが一番バカを見る仕組みだから4月入学の女子校に青春などあるわけない。麻衣が起きたので一緒に新鮮な野菜ジュースを頂いた。1人当たり500ml入りが毎日3本私たちに支給された。私は野いちご。娘はプラム。どうやら果物ジュースも含むようだ。尿意を覚え、私たちはおまるで小用を足した。もちろん幼児向けの簡易トイレに消音装置はない。貞操帯のスリットラインは尿道に合わせて楕円状の子穴があり、周りはステンレスで縁取られていた。私たちはジュッと聖水を解き放ち、おまるを満たしていった。後ろの穴にも円形の穴が空き、周りがステンレスで縁取られていた。アソコの割れ目だけベルトみたいな黒革が急に細くなって実にほどよく食い込み、くっきりと2分された。だがムネを剥き出しにされた私たちは殿方の好奇の目にさらされはしなかった。だからこそ私たちは仲睦まじい母娘でいられるのだ。そこには静かな平穏が保たれ、私たちはプライバシーを保証された。麻衣は見習い看守の翻訳が追いつかないほどヒギンズに手紙を出した。バロンは本業のホテルマンに戻ったが、最近ラブホテル勤務であることが判明した。彼らは真面目だし男子校を卒業後22年も勤務してる。私たちは怪談を期待したが、カザルスたちはビビリだから教えてくれない。私たちは洗面所で歯を磨いたが、鏡付きの狭い洗面所。そこには歯ブラシと歯磨き粉とプラスチック製のコップが2つと洗面用のタオルが1枚。懸念した虫は湧かず、虫よけスプレーまで配布された。私たちは世界線を超えたから精神体に変わったが、基本的に生身の人間と変わらない。ただハードなプレイが赦されず食べ物が摂取できないだけだ。私たちは9月からゲール公国へ参戦するが、果たして丸2ヶ月で日常に戻れるかどうか疑問符が付く。私はゴールド。娘は赤の太い首輪とおヘソまでの細い鎖を科せられたままなのだ。私たちは鎖で拘束されていないから独房内を自由に移動できた。太い首輪は柔らかい革製で肌触りが抜群にいい。貞操帯の通気性が改善され、アソコのむず痒さからも解放された。だから名張に戻ってもそう簡単に日常に戻れるとは思えない。だが麻衣は再戦する気満々だから母親の私に止められるはずもなかった。12歳の幼き魔法戦士は今や150センチ。バストサイズは80にまで膨らんだ。歴史好きの娘はサイズ感の重要性を理解している。「冬までに実戦のカンを取り戻したいわ」「そうね」私たちは秋をオープン戦。冬をペナントレースに例えた。たぶん9月はバロンに押しまくられて負けが先行するだろうから反転攻勢は早くても10月以降。12月に冬服の衣替えがあるから何とか年内に星を5分に戻したいわ。「年明けから大攻勢に出たいわ」私たちは名張在住だから3月と4月の寒暖差が激しい。だから2月末までにリードを広げておかないと3月から厳しくなる。「私たちは春に弱いからね」「そうね。3月と4月は体調管理が難しいわ」だが5月以降から落ち着くだろうし、夏は名古屋ほどしんどくない。「秋と春さえ乗り切れば何とかなるはずよ」「そうね」あとは名張に帰って早く日常に慣れるだけだわ。2年近くバロンと戦い抜いた実績が私たちを強気にさせた。