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現代ダンジョンでスライム特効のLv1ハンターは12年目で覚醒する  作者: 金剛愛宕
第一章 伊予西条 うちぬき水ダンジョン攻略
9/25

水ダンジョン 第三層〜第四層


 水ダンジョンの第三層では、俺たちのレベルが更に上がった。

 そして魔物の数が異常に多かった。


 調子に乗って、第三層の魔物を大量討伐してしまった。

 なんやかんやで残業になったが、楽しかったな。


 ドロップした物は、ほとんど魔石だった。

 それでも儲けは中々のものだ。


 スライムから出る、魔法の水筒の価値が異常なだけだ。

 今は1本80万円弱くらいになっている。


 ゴブリンに兎にスライムと、たくさん狩りまくった後に協会に一報を入れた。

 西条の水ダンジョンは不人気ダンジョンだし、それがモンスターの大量発生の原因な気もする。


 レベルアップの速さが異次元だ。

 これで大丈夫か?


 昨日は連携が取れてなかった部分があったので、反省会を最後にした。

 (あらかじ)め、パターンを決めておいた方が混乱は無いだろう。


 連携が完璧になるまでは時間がかかりそうだけど。

 俺は若くない。



 ◇



 さて、本日は休みだ。

 現実逃避をしている暇も無い。

 さっきレポートも提出できたし、あとは買い出しだ。


 明日から泊まりがけでダンジョン攻略だ。

 ということで、中古のコンテナハウスを準備した。

 今日の午後は、これをアイテムボックスで運搬だ。


 大きなベットとテーブルに椅子、魔導コンロ付きのキッチンを装備して、お値段100万円弱。

 魔道コンロも貰い物だし、これ一つで100万円する。

 なんて安上がりなのだろう。

 オラの預金は激ヤバだけど。


 帰ったら中の装飾を桜花と桃花に任せて、俺はハンター協会へ行く。

 田中さんは専門外らしく、若い子に対応してもらったが、手続きが大変だった。

 これでコンテナハウスの分を儲けようという算段だ。


 午前に手続き、調整してもらって午後から手続き。

 正直言って疲れた。


 帰ったらコンテナハウスが凄かった。

 半日でどうやって、ここまで綺麗になるんだ?


 アイテムボックスに収納して明日に備えた。

 もっとゆっくりしたいんだけど、俺の情報が凄い勢いで拡散しているみたいだ。


 協会から漏れてる?

 それとも、嗅ぎ回っている奴が居る?



 ◇



「オッケー。ダンジョン配信」

「はじまるよ〜!」

「ぱふーぱふー」


 と言うわけで始まりました。

 金のなる木。

 じゃなくてダンジョン攻略生配信。


 情報が独り歩きをするくらいならって意味もあるが、リスナーと楽しく攻略できるらしい。

 金儲けもあるし、仲間募集のとっかかりにならないかとも考えている。

 配信をしてどのようは反応があるか見物(みもの)だ。


 昨日頑張った甲斐がある。

 仕組みについては後で説明するが、目の前には立方体の魔道具が浮いており、魔石で起動している。


[おはようございます]

[8時からやってるなんて珍しいですね]

[本当に美人!]

[彼が日本最弱?]


 コメントも流れている。

 バッチリだな。

 少し字が小さくて見にくい。


「一応、日本最弱らしい」

「今日はその名前を覆すわよ!」

「ん。汚名挽回」


 桜花はテンション高いな。

 桃花は日本語間違っているぞ。


[それを言うなら名誉挽回]

[日本最弱のどこが名誉なの?]

[汚名返上だな]

[勉強して出直せ]


 思わず笑ってしまった。

 これは悪くないな。


 なるほど、桃花はワザと間違えたか。

 満足そうにしている。


「今日は17時まで、お昼休憩を挟んで9時間連続の生配信になっています」

「私の魔法に刮目(かつもく)せよ」

「じゃあ、第一層から進んでいくよ」


 二人ともやる気満々だな。

 俺はステータスを確認してから出発した。


【トウヤ ツカサ】

【Lv17】

【鑑定ⅩⅩⅩ・アイテムボックスⅩⅩⅩ・幸運ⅩⅩⅩ・直感Ⅶ・物理攻撃補正ⅩⅩⅩ、魔法防御補正ⅩⅩⅩ、剣技Ⅹ、物理防御補正Ⅰ、生活魔法Ⅴ、パティー編成Ⅰ、水中呼吸、スライム特効ⅩⅩⅩⅡ】

【ステータス】

 体力:322

 魔力:141

 物理攻撃:141(+85)

 魔法攻撃:141

 物理防御:320 (+6)

 魔法防御:141 (+85)

 器用:139

 回復効率:138

 俊敏:165

 幸運:30 (+120)


【伊藤 桜花】

【Lv17】

【スキル:物理防御補正ⅩⅩⅩ、魔法防御補正ⅩⅩⅩ、治癒魔法ⅩⅩⅩ、魔力補正ⅩⅥ、水中呼吸、スライム特効ⅩⅩⅩⅠ】


 体力:302

 魔力:138 (+44)

 物理攻撃:138

 魔法攻撃:138

 物理防御:302 (+181)

 魔法防御:138 (+83)

 器用:138

 回復効率:325 (+195)

 俊敏:138

 幸運:20



【伊藤 桃花】

【Lv17】

【スキル:魔法攻撃補正ⅩⅩⅩ、魔法防御補正ⅩⅩⅩ、火魔法ⅩⅩⅩ、魔力補正ⅩⅥ、水中呼吸、スライム特効ⅩⅩⅩⅠ】


 体力:334

 魔力:138 (+44)

 物理攻撃:138

 魔法攻撃:196 (+118)

 物理防御:334

 魔法防御:138 (+83)

 器用:138

 回復効率:180

 俊敏:138

 幸運:30



 ◆




 さて、第一層はスライムだけだ。

 但し、ドロップは多いし、経験値も多い。


[スライム特効は伊達じゃない]

[有名なだけある。それでも、異常なドロップ率だ]

[スターチ出過ぎだろ]

[やばすぎ]


 だろう。

 未だに64倍だからね。

 しかも、幸運値は上がり続けている。

 幸運値でもドロップ率が良くなるらしい。


[あ、魔法の水筒]

[初めてドロップ見た。最近オークションでよく見るけど]

[もしかして、大量出品は日本最弱氏が原因?]

[いきなり100万円!]

[今は70万ちょっとだよ]


 どんどんマジックバックに収納、したと見せかけてアイテムボックスに入れていく。

 すぐに第二層に入ってゆく。


「火よ」

「せーやっ!」


 桃花の魔法と桜花のメイちゃん捌きがひかる。

 ゴブリンがバタバタと倒れて、俺はドロップ回収に徹する。


[メイス使いちゃん、強い]

[普通のメイスだよな?]

[笑顔でゴブリンを撲殺していて引く]

[撲殺天使]


 撲殺天使って。

 だめだ。

 それにしか見えなくなってきた。


[火魔法強すぎだろ。ゴブリン相手になってない]

[発動が速い]

[ベテラン魔法使いがコメントしてる?」

[凌辱不可能]


 ゴブリンは女に向かいがちなんだ。

 理由は繁殖目的だ。


[日本最弱氏、画面に映らなくなる]

[草]

[www]


 第三層の階段がもう見えてきた。

 さっさと突入だ。

 ドロップ回収の方が大変かもしれない。

 装備で俊敏+100なんだけどな…


「昨日程では無いわね」

「押して参る」


 桃花はいつの時代の人だよ。

 面白いから良いけど。

 リスナーも受けてる。


「炎弾!」

「えい!」


 炎の大爆発がそこら中で起こる。

 漏れた敵をメイちゃんが始末する。

 こっちにも来た。


[火魔法が強い]

[水属性と相性悪いのに]

[相性悪いのに、日本最弱氏は鬼畜w]

[本当に画面に映らんw]


 リスナーが300人を超えている。

 美女二人の効果は絶大だ。


「おっと、回収しないと…」


 関心してばかりも居られない。

 二人は楽しそうに撲殺&爆殺してるから、ドロップアイテムの魔石が散乱している。

 画面外でアイテムボックスのスキルを使わないと間に合わないな。


[二人は強い。レベル30くらいありそう]

[結構、安全マージンは取ってるんだな]

[日本最弱氏に合わせてるだけでは?]

[あ、そっか]


 ここまででだいたい1時間半か。

 かなりの好ペースだ。


[敵の数が多過ぎ]

[不人気ダンジョンらしい]

[新宿ダンジョンは奪い合い]

[流石は地方]


 入ってくる経験値の量がおかしいんだ。

 倒す数がおかしいからなんだけどね。


「第四層の階段がありましたよー!」

「慎重に行く」

「桃花、お前が言うか?」

「最初の時とは違う」


 桃花が口を膨らませた。

 可愛い過ぎるだろ。


[可愛い]

[やば。かわ]

[結婚して]

[鏡見ろ]


 分かってくれるかリスナー達よ。

 投銭ありがとうございます。


「第四層は水蝙蝠だ。飛ぶから気を付けて…」


 直感に嫌な予感がビビッと来る。

 なんか押し寄せて来ている。


「なんか飛んできたんですけど?!」

「火よ。対空戦闘」


 桜花が逃げてきた。

 水蝙蝠がすごい数で出てきた。

 空に対する攻撃手段が無いからね。


[オウカさんも可愛い]

[脱兎のごとく]

[火魔法が対空砲火だ]

[弾幕を張れ!]


 俺は剣で相手をする。

 桃花が圧倒的な強さを発揮している。


[敵、多過ぎて草]

[それにしても異常]

[3人で対処する方も異常]


 桃花もウォータラビットとかを処理してゆく。

 なんか大混戦だな。


[メイスちゃん、回復魔法使ってる]

[バーサクヒーラーだった]


 いや、バーサクヒーラーって。

 本当だ。見た目、そんな感じだった。

 撲殺天使バーサクヒーラー。


[あ、なんか出た]

[凄いの出たぞ!]

[スクロール!]

[何から落ちた?!]


 リスナーの反応が早いな。

 どれだ?


「とーや! コレ見て!」


 水蝙蝠を殲滅した桃花がスクロールを持ってきた。

 頭を撫でてやると嬉しそうにした。


[忠犬]

[犬っぽくて可愛い]

[日本最弱が彼氏?]

[いや、たぶんだけど身内でしょ?]


 ファンが出来つつあってよし。

 早速鑑定しておこう。


【スキルスクロール】

『棒術Ⅴが習得できる』

 

 これはバーサクヒーラー行きだな。

 メイスは棍棒だからね。

 

「桜花が使え」

「え? 私ですか?」

「俺と桃花はドロップを拾っておく」


 桜花は迷っていたみたいだけど、リスナーに促されて使っていた。

 その後、メイスをぶん回していた。


「お姉、楽しそう」

「桜花、バーサクヒーラーって言われてたぞ」

「的を射ている」

「そこ! イチャイチャしない!」


 さて、回収したら第四階層だ。

 水蝙蝠の襲撃で引き返したからな。

 階層超えてくるとは思わなかったわ。



 ◇



 スキルスクロール。

 これを使うとスキルを覚えることができます。


 スクロールを使うのは二度目ですが、スクロール一つで数百万円から数億円もするらしいです。

 本当に私が使って良いんですか?


[オウカちゃん! 使っちゃえ!]

[これで益々、バーサクヒーラー]

[何のスキルだろう?]

[スクロールドロップの瞬間を捉えた放送なんて、限られている。初回にして神回が来ている]


「そうなんだ」


 知らないことだらけですね。

 皆さん物知りです。


「えっと、使いますね」


 スクロールを開いて念じた。

 前回と一緒だ。内容を知らないだけで。

 ホワイトアウトして、すぐに収まる。


「なるほど。スキルを覚えましたよ」

[何のスキル?]

[ワクワク]

[ドキドキ]


 何でしょう。

 リスナーさんと一緒に楽しんでいる感じが良いですね。


「知りたいですか?」

[勿体ぶるなー]

[小悪魔ヒーラーだ]

[それも可愛い!]


 反応はそれぞれ。

 みんな面白い。


「仕方ないですね〜」


 まあ、焦らすのはこれくらいで良いでしょう。

 メイちゃんを振り回してみますが、動きが軽いです。

 

「私が習得したのは棒術です」

[あの動きで無スキルだったの?]

[オウカ、恐ろしい子]


 さあ、次の敵を倒しに行きますよ!

 

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