長女桜花と装備選び
スミマセン短くなってしまいました…
ハンターに必要な物。
それは、携帯トイレと装備品です。
と言うわけで、携帯トイレは準備しました。
しかし、装備品は訳が違います。
「例えば、俺が使っている剣だけど、中古で70万円した」
「「ななじゅう?!」」
「知り合いが装備品を変更する時に友達価格でな。新品は500万円クラスだ」
「「ごひゃく?!」」
ということで、桁が違います。
なので、私達では準備できませんでした。
「「高過ぎ……」」
司さんはお見通しだったのか、装備を準備していました。
「桜花にはこのメイスだ。先端が丸型の単純なものだけど、初心者が扱うものとしては良い獲物だ」
「なるほど」
私の武器が決まりました。
ちょっと重いけど、振り回すことはできます。
「桜花。凄い」
「様になってるな」
司さんも桃花も驚いた顔をしてました。
何かありましたか?
「桃花はこれ。ウォーハンマーだ」
「リーチも長い仕様のものだし、重さも抑えている」
桃花も武器を振ります。
鎚状の柄頭を備えたもので、片方を平らにして反対側を鋭利な斧状とした片口型になっている。
「桃花のは俺のお古だな」
「手垢が移る」
「んだとこら」
お姉ちゃんの前でイチャイチャしないでねー。
なんて言ったら桃花に怒られそう。
「胴は魔法鉄の胸当てが二つあるから、これを使って。あと、グリーブも二つあった」
「ん」
「装備してみますね」
装備品はハンター協会の貸し倉庫から出てきます。
司しんは一つの区画を安価で借りているらしく、そこに物を放り込んでいるみたいです。
でも、ここから水のダンジョンまでは900メートルあります。徒歩で行くには人目がつきますね。
剣を所持するには免許も必要ですが、迷宮まではマジックバックが必須だそうです。
「不思議」
「装備品は身につけるとフィットするからな」
「装備しました。思ったより重さを感じませんね」
スライム相手に重装備だということで、これ以上は強くなってからと言われました。
他に、倉庫内には無いそうです。
物がいっぱいありますけど…
「これ、お値段いくらするんですか?」
「……貰い物だから分からないんよ」
「急に愛媛弁入るのキショい」
「キショい言うな」
誤魔化されました。
絶対に高い筈。
まあ何にせよ、悪夢のようなこの状況から一刻も早く抜け出さないといけません。
夢なら覚めて欲しいです。
「ちなみに、司さんの装備は?」
「スニーカーにジャージ」
「「ダンジョンはコンビニじゃない!」」
姉妹でなくても同じことを考えたでしょう。
◇
桜花と桃花の装備品を選びにハンター協会に来た。
装備を選んだので水のダンジョンに行く訳だが、装備品があまり良くなかった。
そもそも、貰い物を鑑定してなかったんだから仕方がない。
桜花の装備品はこんな感じ。
【メイス】
『打撃武器』『特殊効果なし』『攻撃力+3』『命中率1.1倍』
『売却額:10万円』
【魔鉄の胸当て】
『胴体防具』『特殊効果なし』『防御力+30』
『魔法防御補正+100』『売却額:340万円』
【風のグリーブ】
『足防具』『悪路走破』『防御力+30』『風耐性1.3倍』
『風魔法効果1.3倍』『俊敏+10』『売却額:350万円』
そんな効果あったの状態だ。
倉庫の肥やしだったのだから。
桃花の装備品も見てみよう。
【ウォーハンマー】
『打撃斬撃武器』『特殊効果なし』『攻撃力+30』
『命中率1.1倍』『売却額:90万円』
【魔鉄の胸当て】
『胴体防具』『特殊効果なし』『防御力+30』
『魔法防御補正+100』『売却額:340万円』
【水のグリーブ】
『足防具』『悪路走破』『水面走り』『防御力+10』
『水耐性1.3倍』『水魔法効果1.3倍』『売却額:300万円』
これ、胸当ては貰い物である。
二人には言わなかったが、グリーブは遺品だ。
亡くなった二人は前衛で魔法系では無かったらしい。
四人くらい跨いで流れてきたからな。
にしても、売却額が中々だ。
あと、倉庫にある物は、とても渡せた物じゃない。
よく装備せずに放置していたことだ。
一旦封印だな。
「んじゃ、腕の防具を買いに行くぞ」
「「はい」」
今後、ゴブリンを相手にすると考えないとな。
火を使ってくる奴が居るので、俺の分も買っておく。
「あの、高過ぎませんか?」
「零の数がバグってる」
3つで300万って、桁が間違っているのかと思った。
先行投資だ。
【火の籠手】
『腕防具』『特殊効果なし』『防御力+10』『火耐性1.2倍』
『火魔法効果1.2倍』
他の俺の装備はマジックバックに眠ってる。
スライムだけだと不要だからな。
全部貰い物だったんだけど、何これ。
魔法の水筒で釣り合うもんじゃない。
装備一覧
【魔鉄のつるぎ】
『斬撃武器』『特殊効果なし』『攻撃力+40』
『魔法攻撃・防御補正+100』『売却額:250万円』
【火の籠手】
『腕防具』『特殊効果なし』『防御力+10』『火耐性1.2倍』
『火魔法効果1.2倍』『売却額:25万円』
【地龍のコート】
『胴体防具』『土魔法無効』『防御力+400』
『魔法防御補正+300』『売却額:2040万円』
【地龍のくつ】
『足防具』『悪路走破』『土魔法無効』『防御力+130』
『俊敏+110』『売却額:1250万円』
◆
その後は第一層でスライムを狩ることになる。
武器の扱いに慣れない二人は空振りを連発し、この日の討伐数は100匹ほどとなった。
「大分、上達してきたね」
「まだまだ、これから、です」
「当たらない……すばしっこい……」
一日にスライム400匹討伐の予定だったのだが、へばっている二人を見たら、考えるのはやめにした。