【第24話】うれしい成果
カピを初めて狩った日から1ヶ月が経過した。
この頃になると子供達だけでカピを狩れるようになっていた。
どうやらあの辺りにはカピ以外のモンスターは来ないようなので子供達だけでの出撃を許可した。
いつ俺が動けなくなったり、死んだりしたときには子供たちだけで生きていかないといけないので、
それの予行練習というわけだ。
不安だらけだった解体も、今ではプロ顔負けの手際のよさだ。
カピを狩るようになってからは子供たちのランクもEに上がった。
見立てではもうひとつ上のD位はあると言われたらしい。
俺のスキルの強化を抜いても、恐らくはそのくらいありそうだから見立ては正しい。
他にはギルドで登録をしていなかった年少組の子供達のうち、登録できる子は全員登録させた。
2日に1回は登録出来なかった子も含め薬草採取に同行させ学ばせている。
俺が教えるまでもなく上の子が率先して教えようとするし、ちびたちも真剣に取り組んでいる。
ちゃんと出来たら嬉しそうにこちらへ見せに来るので頭を撫で労っている。
今ではギルド側のフォローもあり、ちび達だけでも納品まで出来るようになっている。
お金を貰った後の大きな声でのありがとうございましたの大合唱は、
ギルドに登録出来ないくらいの小さな子供達も一緒に言うためか、ギルド職員達の癒しになっているらしい。
ということで、(一部のちびはポイントは貰えないけど)この家にいる全ての子供が何かしらの仕事が出来るようになった。
思わず涙ぐんでしまった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
更に数ヶ月後。
境遇はかなり改善された。
改善と言わず解決したぐらいのレベルになっている。
まず年長組と年中組はカピ以外のクエストを受けるようになり、
経験を積んで、立ち回りなどが洗練され、実績も中堅までは行かないものの、かなりの結果を残す集団として捉えられるようになった。
訓練を完全に自分の物とした子供たちは大人並みのテクニックを持ち合わせている。
Dランクが4人、Eランクは6人となった。
それ以外で変わったことと言えば、川の水(聖水入り)を森に撒くようになったことだ。
森で狩りをするようになり、血など臭いや、子供達自体の匂いを追ってモンスターが付いてきてしまう可能性を、受付のおばちゃんに指摘されたからだ。
じゃあどうしようかと考えているところに、ククイが川の水を撒いてはどうかと言ってきたのだ。
みんなが動けるようになってから、ククイは家でみんなのフォローに回ることが多くなった。
夕方にみんなが集まったら、ククイがスキルで川の水をくみ上げ、小さな樽に入れると子供たちがそれを森の奥に撒く。
久しぶりに(?)仕事の中心の役割を担うことになったククイは嬉しそうに水を配っていた。
変わったことはもうひとつある。
それは子供達に文字を教え始めたことだ。
狩りも薬草採取も2日に1回とし、その休みの日を1日使い行っている。
これが出来るようになったのもみんなの頑張りが生んだ、生活の余裕のおかげだ。
ちび達は、にいに、ねえね達に一日中構って貰えるため嬉しそうに学んでいる。




