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脳筋不器用元貴族のやり直し  作者: ゆめのなかのねこ
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【第15話】戦闘訓練(2)

「おじさん」


「おじさんおきてー!」


「5ひきー!」


「分かった分かった・・・」


今日も今日とて子供に起こされ、家の裏の川へ引っ張られていく。


「元気だな」


「おじさん!」


「やこう!」


裏に着くと、すでに魚が〆られ、小型のツタで作られたカゴに入れられていた。

これは最近編んだおわん型のもので、このカゴの上で魚の罠をさかさまにして

罠に掛かった魚を集められるようにしたものだ。

それまでは地べたに落とした後に苦労して拾い集めていた。


「ヤグラもおはよう」


「にゃん」


ここ数日、ヤグラは魚の罠を回収する時から付いて来てその様子を見ているらしい。


「分かった分かった。やるか」


この数日で、チビ達に年中組と年長組は捌き方を見せるようにしていた。


「待たせたな、じゃあエドワードからやってみろ」


「はい、ええと」


エドワードは教えたとおりに魚の口に左手の人差し指を突っ込んで親指でしっかり持ってから、

鱗を取り始めた。

それが終わると次に内臓を取り、魚を川の水で洗う。


「上出来だ。次はホームズ」


「うし」


その後、ホームズ、クレア、ククイの順番で魚を裁いた。


最後の1匹は推定10歳のトーマにフォローを入れながら捌かせた。


最初はすげーすげーとうるさかった年中組も、1人づつやらせるようになった今では真剣な表情でそれを見るようになった。

順番でやらせているので、明日は我が身なのだ。


次に串打ち、そしてかまどに並べる作業だが、これも今は子供たちに全部やらせるようにした。

年長組と年中組が作業をし、それより小さな子供たちはそれを見ている。


「あ、また串が倒れた」


「くそ、洗ってくる!」


「ああいいよ、水出すよ~」とククイがフォローをしている。


このかまどはエドワードとホームズが簡易的に作ったものだ。

ずっと同じ場所で串を立てているから周りの土は完全に柔らかくなっており、串がすぐに倒れてしまうようになってきた。


「そろそろ作り直さないとな」


ついでにあの巨大魚も見据えて大きめのかまども隣に作りたい。

そうなると串を立てるというのは無理なので、串焼き屋の屋台で見かけたような、

串の両側をかけておける感じのかまどにするか。


子供たちの作業を見守りながら(ひそ)かに計画を練る。

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